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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界50








ウーノの言葉で、ハっと私達は身構える。
ヨロヨロと駆け出したクアットロ。
その先にはきっとフェイトちゃんが!

「諦めて、おとなしく道を譲ったら?」
「まさか。まだまだこれからよ」

言いながら、腕を鳴らすウーノ。
厄介だな…。
前回、この女の戦闘はみていない。
情報が少ないうえに、彼女たちを束ねていたんだ。
油断するとこっちがやられる。

「私の能力、あなた達と違って体力の消耗が激しいの。」
「?」
「でも、仕方ないわね…。ここで道を譲ったりなんかしたら博士に殺される」

何を言ってるのか判らなかった。
けれど…オーラから、何か…そう特異な手段を使ってくるのは判る。
まだダメージの残るキリエをかばうように立つアミタ。
二人は下がらせた方が賢明かな。

並んで立つのは、私とはやてちゃん。
鋭くウーノを見据えながら。


「はやてちゃん…シグナムさん達は?」
「ナノハちゃん達がクアットロの気を引きつけてくれてる間に呼んだよ。もうすぐ来るやろ。」

「随分と余裕なのね」

言った瞬間、

ドン!

派手な音を一度立てて、私達に軽い風圧の衝撃が襲い掛かった。
それは、ウーノを中心に能力が開放されたことを意味していたんだ。

「後悔しなさいッ!」

聞こえてきたのは、鋭いウーノの声。
視線を向けて…――目を見開く。
そこに、彼女の姿はなかったんだ。

どこに!?
思った瞬間、

「背中、がら空きよ? お嬢さん達」

ゾクっとするような冷たい声に、私も…そしてはやてちゃんも飛びのいた。
直後、空気を切り裂くようなウーノの鋭い拳が、私達のいた場所に繰り出される。

な、なんてスピード…!?
まったく読めなかった…っ。

「遅いわよ?」

続けて私に向けて攻撃を繰り出してくる。
その全ての攻撃が、荒々しく、それでいて力強さがこれでもかってぐらい主張されて…なおかつ
信じられないぐらいの俊敏さ。

「くっ!」
「ナノハちゃんっ!」
「大丈夫っ! はやてちゃんはアミタさん達を!」
「おっと…っ」

私の声に、ギリギリの所ではやてちゃんは来ていた攻撃をかわす。
それから、辺りに視線を向けた。

素早い『それら』は、縦横無尽に廊下を駆け巡る。
ギラギラとした金色の瞳に、激しい殺意を隠そうともせず。
右に左に、上に下に。

人間とは思えないぐらい鋭くとがった爪が、コンクリートの壁をギィッと、えぐる。
同時に身体を持ち上げて天井まで駆け上がると、強く蹴り上げて交互に
私達に向かってきて。

「くっ!」

かわすのが精一杯だ。
この…獣を。

そう、獣だった。
唇の端からギラリと見える、獲物を求めて止まない牙。
異形な指先。
程よく引き締まる筋肉は、余計な動きを省く最大の武器。
そして…――その瞳。
一瞬の動きも逃さないというように、鋭く尖っている。
ターゲットは…もちろん、私にはやてちゃん…―――

―――ちょっと待って…。何かがおかしい。


ウーノの攻撃…―――キリエ達に仕掛けてきていないんじゃ…。
素早く動いて撹乱しているように見せているけど…。
間違いない。
私達には、鋭い爪が繰り出されても、キリエ達には積極的に向かっていない。

どういうこと…? 私達と彼女たちが違うコトは何…?
まさか、さっきのアミタさんの一撃を見て怯んでいるワケじゃないだろうし…。

「考え事してると、ここで終わりよ!」
「くっ!」

考える暇さえ与えない攻撃。
…高められた力を惜しむことなく…って!

…待って…、力!?

ウーノの力はもはや、獣の力だ。
獣達の弱点はなんだった…?

そうだよ…!
『火』だ!!

「なるほど、ね…」

軽く舌なめずりをして、繰り出された攻撃をかわすかわりに距離をとるため
私は腕を振り下ろし、起こした衝撃波で、ウーノの身体を後退させる。
体勢を崩したウーノは、舌打ちをしてこちらを睨みつけた。
その僅かなチャンスに、アミタさんの背後に回りこんで耳打ち。

「私とはやてちゃんがあいつの動きを止める。そしたら炎で取り囲んで」
「え?」
「多分…、火を恐れてる」
「…――わかりました」

それからはやてちゃんの元へ駆けていき…、
すれ違いざま、囁いた。

「1秒でいい。足止めするよ」
「意味わからんけど、おっけー」

こういう時、はやてちゃんの性格は助かる。
私を信頼して、疑問は後回し。
その分、納得できる結果がでなかった時は厄介なんだけどね。


「またおしゃべり? 余裕見せるのもほどほどにしなさいよね!」

来る…!
構えて、向かってくる方向を敏感に感じ取る。
これを抑えれば…!
アミタさんのテリトリーに入る…!
振り返った先には、アミタさんが『いつでも』というようにコチラを凝視しているのが見えた。

「終わりよ!!」

耳をつんざくようなウーノの声。
向けられたのは鋭い爪。
それをすぐ側で感じ取って、私はフっと口元を緩めた。


―――終わりなのは…そっちだよ、と。

「なっ!?」

驚愕に変わるウーノの表情。
それもそのはず。

だって、はやてちゃんが…飛びかかってくるウーノの懐に強引に体当たりして動きを止めたんだから。
私は素早く、その手首を押さえ込んで床に叩きつけてやった。
バシン!と激しい音を立てて、組み伏す。

そして…

「アミタさん」
「任せてください!」

ここは研究所。
至る所に設置された機械。
そう、見渡せばオイルが至る所に置いてあったんだ。

発火スイッチは、アミタさんの扱う銃。
パンッ!と乾いた音が鳴り響いた直後、業火が取り囲んだ。
もちろん、そうなることを読んでいた私とはやてちゃんは、瞬時に離れる。

「くっ! ひ、火が…っ!」

意思を持ったかのように、炎はまるで突風に巻かれた乱流のように、ウーノに襲い掛かる。
見ているこちらにも、その放熱が伝わってくるほど荒々しく。
…よほど、アミタさんの逆鱗にふれてしまったみたい。
容赦なく打ち込んだ弾は、全て的にヒットし業火と化す。
天井までたちこめたその炎が何よりの証拠。


それでも、力を持った彼女は違った。
ウーノは、怯えながらも毅然と私達をを炎の隙間から睨みつけている。

「…ちょっと、こらしめてやりましょうか」
「?」

スっと私の隣に立ったキリエは、ニンマリ笑って…壁にあるレバーを下げた。
それは、炎に囲われた空間に雨を降らせ…白い蒸気となってたちのぼらせていく。

「おぉ、さすがこういう建物には設備が備わっとる」

感心するはやてちゃんの視線の方に顔を向けると…なるほど…。
本来は火事が起きたときに消火する物なのかな?

炎に囲まれた状態でああなれば必然的に、中は酸素濃度が薄くなって…。

「ぐ…うぅ…」

ウーノは耐え切れず、力なくその場に倒れこんだんだ。

それを確認して、キリエはレバーを最大まで操作する。
あんなに大きく上がった炎も瞬く間に消えてしまった。
後に残ったのは、全身に汗を浮かせてぐったりとしたウーノと…周囲の焦げる匂いだけ。

終わった。
高揚感はない。
ただ、苛立ちが胸を支配してくるだけ。
そこまでして…フェイトちゃんを手に入れたいのか、と。
これじゃただの捨て駒じゃない…!

「ナノハ!」
「? …え、ヴィータちゃん、みんな…っ」

呼ばれて振り返った先には、みんなが駆けてきていたんだ。
むわっと立ち込めた空気に、眉をしかめたりしてる。
それから、横たわっているウーノを見て驚いたみたい。

「なんなんだ…っ、これ?」
「足止めされてたんだよ。ヴィータちゃん達、すれ違わなかった…?」
「いや、こっちは誰とも。」
「こちらの処理は、我々にお任せ下さい。」
「ほな行ってくるわ。」

シグナムさんが声をかけ、はやてちゃんは頷いた。

「ナノハちゃん! まだ諦めてないよな?」
「…もちろん!」

言って駆け出す。
再びフェイトちゃんの跡を追い始めたんだ。







フェイトちゃんを諦めるなんて選択肢、もちろん私の中にはなかったから。






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  1. 2017/02/18(土) 00:00:00|
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