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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界48









「…っ!?」

目の前の光景に愕然とする。

引っ掻き回されたフェイトちゃんの部屋。
ぐしゃぐしゃに皺のよったベッドのシーツ。
毛布は無残にも、ちぎられて床に広がっている。

「ふぇ…フェイトちゃん!?」
「ナノハちゃんっ!フェイトちゃんは?」
「どこにもいない…?」

寝込みを襲われたんだ、きっと。
逃げる反応が遅れても仕方がない。
ましてや、力のコントロールもまだ不完全だし…。
でも、こんな短時間で連れ去ることができるモノなの…?

落ち着け…。焦りはただのマイナス面にしか働かない…っ。
サイレンが鳴ったのが約10分ほど前。
それから、フェイトちゃんの部屋に来るのに、そう時間は経っていない…。
もしかしたら…――まだ近くにいるかも…っ。


「ここにいても仕方ないで…!館内をとりあえず探さな!」
「うん!」

私と同じコトを考えていたらしい、はやてちゃんの提案に全員が頷いて廊下に飛び出す。
二手に分かれた道。
何人か居るんだから効率よく動かないと。

「私ら四人は右に行く。残りは左を!」

はやてちゃんの指示に、瞬時に行動を取るみんな。
さすが、守護騎士のみんなを束ねているだけあって頼もしい。
別れた他のみんなも、もしフェイトちゃんを発見できたら、すぐに駆けつけてくれるだろう。

「よし!ヴァンパイアコンビと博士の娘達や!」
「・・・はやてちゃん、そのネーミングセンスはどうかと・・・」
「緊迫感が全くありませんね。」
「ダサすぎるわ。」

言って駆け出す私たち。

何故自分はフェイトちゃんのコトをすぐに思い至らなかったのか…!
自分の致命的なミスに、奥歯をギリっと硬く擦り合わせてしまう。

緊張と恐怖で気が狂いそうだった。
突然の出来事に、フェイトちゃんは一体どんな思いだった…?
私の名を呼んだかもしれない。
今も苦しんでる…? あぁっ、もうっ!


「はやてさん、ナノハさんが百面相しています」
「ほっといてあげてな~。寝ぼけた頭に、いい薬や」
「あら?意外に可愛らしいところあるのね」
「ちょっと!静かにしてよ!」

まったくどんな時でもこの人達は…っ。
いや、逆にこんな時だからこそ、だ。
口では面白ろおかしく話しているけど、目はまったく笑っていない。
…こういう話でもしてないと、落ち着かないんだ…。


「! あそこ!」

館内の通路を駆けていて、T路で曲がろうとした瞬間、キリエが声を上げた。
反射的に顔を向けて、その視線の先。

「!? フェイトちゃん!!」

―――フェイトちゃんがいたんだ。

「あら、見つかりましたね…っ」
「思いのほか手間取ったからね…」

すぐさま私達に気づいて振り返ったのは、…――やっぱりというか。
あの時の4人のうちの2人だったんだ。
確か…『クアットロ』『ウーノ』と呼ばれていた。

けど、私の視線はその後ろを捕らえて離れない。
2人に抱えられるように、ぐったりしているフェイトちゃんの姿を。
ゆっくり間合いを詰めながら、問いかける。


「…フェイトちゃんに、何をしたの?」
「別に、ちょっと暴れるものだから眠ってもらっただけだけど?」

やっぱり…。

予想通りの答えに、熱い何かが後頭部を焦がしていくのがわかった。
全身の血液が沸騰するような感覚が襲いくる。
抑えきれない激情が、殺意となって今にも溢れかえりそう。

(ナノハさん、フェイトさんを助けることを最優先に…)

スっと私の背後に移動したアミタが耳打ちする。
そういえば以前、4人が襲ってきた時に暴走した私を止めてくれたんだっけ?
フェイトちゃんも、アミタが言ってくれてからって・・・。

今度はしくじったりしない。

(…わかってる)

頷いて、私は一度深呼吸。
落ち着け…冷静に…憎悪に身を委ねるな。
失敗は許されないんだから。

「フェイトちゃんを返して」
「返して? 」

両肩を竦めるような仕草をして、『クアットロ』が鼻で笑った。

「この子、誰かの所有物なんですか?実験で作られた子は研究に使われてこそだと思うんですけど?」
「本気で言っているの?」

明らかに、こちらの反応を楽しんでいる。
はやてちゃんが「陰湿な奴や…」と吐き捨てるけど、その様子さえも面白そうに見てるし。
……イライラする。

「…ここに…ナノハさんと一緒に居たいと言ったのは本人の意思です。」
「ふぅん…」

努めて冷静に言い放つアミタ。

…と、そこで気づく。
キリエが何かをアイコンタクトで、私に示している。
その先には…―――ウーノ。

っ!
逃げるスキを伺っている…っ。
足先はすでに背後の方へジリジリと向けられていて、腰を低くして…。
いつでも駆け出せるようにして。

なるほど、話しかけてるクアットロが意識をひきつけてるんだ。
…冷静さを欠くと、ここまでくるのか。
そんなコトにも気づかないなんて…。

「この建物から出られると思ってるんですか?」

そのことに気づいていたアミタも、上から見下すような、そんな視線で告げた。
瞬間、ビクン、と一度身体を震わすスカリエッティ側。
それでも『クアットロ』は、その頬に張り付いた笑みを崩さない。
向けられた視線は、徐々に細くなり…微かな妖しい光を見せた気がした。


…来る、ね。

張り詰められた空気が物語っている。
あとは…どちらかの一声だ。

「やってみないとわかりませんよ?」
「聡明な判断じゃないんとちゃう?」
「別に、この建物から出られないといけないのは私じゃないですし」
「………」
「ウーノ姉様と実験材料さえ出られればいいんだから」

ジリジリと、空間という糸が引っ張られていくのが判る。
ギリギリ一杯まで。
その糸を、切ったのは―――







「実験材料じゃない…! フェイト・T・ハラオウンだよ…!」

…―――私だった。






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  1. 2017/02/04(土) 00:00:00|
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