Posing

初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

行キ着ク果テノ世界47






真っ暗闇の中…光の前にいた。

背後に聞こえるのは、はやてちゃん達の悲痛な叫び声。
『やめて』とか『戻って』とか…そんな言葉。

けれど私は、一度振り返って笑うと…光に手を伸ばす。

いけない…触れてはいけない…っ。
わかってる。
ここに触れたら、私は…。

でも…、あのコがいる。
あのコが、目の前で泣いてる。
ダメだ、と首を振って拒絶しているけれど、私にはわかる。
『助けて欲しい』っていうシグナルなんだって。
『なのは、助けて』って、私の名を呼んでるんだって。
だから私は…。

私は…。



「………」

ゆっくりと瞼を開く。
広がったのは…何度目かの白い天井。
思わず、ふぅ、とため息を漏らして身体を起こすと髪をかきあげた。

また…夢だ…。
今度は…前より鮮明な。
これはもう…疲れとか、そんなので片付けられる次元じゃない気がする。
そんな事を考えながら、自分が意外に冷静でいられることが不思議だった。

『虫の知らせ』という言葉が、この国にはあるらしい。
もしそうだとして、私の夢に断続的に現れるそれは…私にどうしろというんだろう?

―――考えすぎなのかな…?


時計を確認する。
みんなが寝静まる深夜。
私は考えを整理したくて部屋に戻って・・・気がつけばうたた寝。
人間で言うお昼寝程度には眠っていた気がする。
朝はまだ遠い。

はやてちゃんなら、起きているだろうか?
話し相手になってくれるだろうか?
考えたその瞬間。

ビ―― ビ―― ビ―― ビ――

けたたましいサイレンが部屋に鳴り響いた。
反射的に私は、ベッドから飛び降りて衣服を整える。
すっかり身体に染み付いた習慣に苦笑しながら。

それからコートを羽織って、電磁式の扉に向かって外へ――出れなかった。

扉が開かない…!
いくら前に立とうとも、開く気配さえない。


「電気が…死んでる?」

暗闇の中、手探りで部屋の電気のスイッチを探す。
すぐに硬い突起物に当たって、カチン、という音がした。
けれど、それだけ。
まったく機能していなかったんだ。
思わず舌打ちをして、扉を見つめた。

「…非常事態だし、ごめんね」

数歩後ろに下がって、扉に構える。
そして、一気に力を叩き込んだ。

ガシャン!!

サイレンに負けないぐらいの音を立てて、粉々に飛び散る扉。
開けた廊下では、赤い光が点灯していて、ただ事ではない様子を物語っていた。

一体何が起こっているのか判らない。
こういう場合、どこに向かえばいいのかも。

待って…。
『私達』ならどうする?
そう、私や、はやてちゃん・みんななら…。

っ! 動力室だ…!
この建物の心臓部。
きっと、そこで何かが起こっている…!
そういえば昼間、ウイルスがどうとか言っていた。
それが関係してる…?
とにかく、そこに向かうしか…!

鳴り続けるサイレンの中、私はコートをはためかせながら駆け出した。

…自分の見解に誤算があったコトに気づかず。
きっと起き立ちでなければ気づけたハズ。

これは随分と手の込んだ―――陽動だったんだって。





**********





動力室の入り口はすでに誰かによって壊されていて、私は中に駆け込んだ。
そこには、ほぼ全員が揃っていて。
じっと大型のモニターを食い入るように眺めていた。

「ナノハちゃん!」
「何があったの?」
「いやぁ、ウイルスが…ちょっと、大変なところまで侵食しちゃったようで・・・」

キーボードに指を走らせつつ、グランツ博士が苦笑しながら答えた。
その側で固唾を呑みながら見守っているみんな。

やっぱり…。
昼間言ってたヤツか…。
でも、博士がてこずるなんて…相当なものなのかな…。

「復旧は?」
「それはもうすぐ片付くよ。しかし…システムダウンした場所があって」
「システムダウン?」
「一部の部屋には入れなくなっている。例えばナノハ君がいた部屋とか…力をもっている人たちの部屋はぜんぶ」
「それって…」

…ひっかかった。
システムダウン…。
そんな部分的に侵食できるものなんだろうか…?
まるで狙ったかのように…。
……狙った…かのように…?

「いや、でもはやて君達がいて助かったよ。幸いけが人は居ないようだし、扉がダメになったことは致し方ない。」
「…博士、さりげなく嘆くのやめて貰ってええやろか?」
「・・・わかっているよ」

自分の研究所が狙われたってのに、博士のこの楽観ぶりはどうだろう?
それとも何度も、こんな目にあってるの?

「これで3回目」
「え?」

振り返ると、小さな子供を抱いたアミタさんが苦笑いしていた。
…本当に小さな…まだ歩き出したくらいの。

「私と同じで、スカリエッティの研究所から連れ出して来た子です。」
「そっか…、大丈夫?」
「はい。もう寝てますし…。この子…最年少だから怯えちゃって」

大変だね、と一度笑ってみせる。
アミタさんも、軽く笑って『よいしょ』と体勢を整えた。

こんな小さいコまで……。
きっと…全員、無理矢理に…。


「さっき言った3回ですけど、どれもスカリエッティからのアタックですよ」
「え…、3回も?」
「ここ、大半は機械で動いてるから。攻め入られると弱いんです」
「そう…」
「でも…こんなにも強いウイルスが送り込まれたのは初めてで…。なにか…そう、機械を破壊する以前の目的があるんでしょうけど…」

機械を破壊する以前の目的…。
なに…それは一体…。
考えろ…。
まだ重い頭を支えるみたいに額に手を当てる。


……待って…。
何か、重大なコトを見落としてない…!?
今スカリエッティに一番必要なのは…!?

「…フェイトちゃん…!? フェイトちゃんはいる!?」
「えっ? あ、そういえば…」

博士と話し込んでいたはやてちゃんが、ハっとしたように振り返ってあたりを見渡す。
他のみんなも。

「シグナム!みんなもっ!」
「「「「はいっ!」」」」

はやてちゃんの声に、守護騎士のみんなは素早く反応して駆けていく。
でも、これがもし、私の考えたとおりの陽動なら…。
きっと潜入してきているのは…あの時の誰かだ…!

森で出くわした面々を思い出しながら、私も扉の方へと駆けていく。

「待って! 私も!」
「ナノハちゃんが行くなら、私も行くしかないなぁ。ほな博士、ここはお願いします。」
「あぁ、頼んだよ。」

はやてちゃん…。
ここまで腐れ縁だと笑ってしまう。
ホント、頼りっぱなしだな・・・。

「ナノハちゃん、敵が居たら私が引き受ける。ナノハちゃんはフェイトちゃん最優先。」
「わかった…っ」







フェイトちゃん…無事でいて…。
切に願いながら。






スポンサーサイト
  1. 2017/01/28(土) 00:00:00|
  2. 行キ着ク果テノ世界
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<行キ着ク果テノ世界48 | ホーム | 雑記>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://g1n2m3.blog.fc2.com/tb.php/323-7f005470
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

M2(エムツー)

Author:M2(エムツー)
色んな方にアドバイス頂き、書かせていただいています。
亀更新の割に中身が薄かったり、短かったりしますがご了承ください。

当サイトはリンクフリーですが、一言リンクしたことをお知らせいただけたら嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

Night of a new crescent (53)
私達は愛を知らない (32)
行キ着ク果テノ世界 (66)
アレルヤ (37)
中編(アリシア&なのは) (13)
短編 (16)
リクエスト (11)
お返事 (39)
雑記 (70)
未分類 (1)

アクセスカウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。