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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界44






薄暗い闇の中、フェイトちゃんが泣いていた。
その場にひざまずいて、声を上げて、搾り出される嗚咽と一緒に。
零れ落ちる涙は、ポタポタと太ももを濡らしていってる。

フェイトちゃん…? どうしたの?

声をかけるけど、フェイトちゃんには届かない。
ううん、私の姿すら、その視界には映っていないみたい。


『うぅ…っ…っく…』


しゃくり上げる声がただ切なく私の胸を打ちつける。

フェイトちゃんっ、ねぇっ。
聞こえないの!?

必死に呼びかけるけど…やっぱりフェイトちゃんは私の存在に気づかない。
どうして…?
眉を寄せながら首を振って…気づく。
周囲の気配に。悲しみに彩られた…そんな気配に。

誘われるように、くるりと振り返ると…そこには見知った顔がいくつもならんでいた。
はやてちゃん…シグナムさん達、博士達、…それにフェイトちゃんを狙ってきた、あの四人組も。
でも、みんな…ただ悲しげに私を見てる。
ううん、私じゃない。正確には、そのすぐ向こう側で泣き崩れているフェイトちゃんを。

何がどうなっているのか判らない…。
どうしてフェイトちゃんは泣いている?
みんなは、どうして動こうともせずにじっとフェイトちゃんを見つめてるの?
私は…どうしてフェイトちゃんの瞳に映らない…?

と、その時…私は目にした。
フェイトちゃんの腕に、何かが強く抱きしめられているのを。
ぐっと胸に押し付けるみたいに…強く強く。

それは…私にも見覚えがあるモノ。
所々破けてしまっているけど…あれは…。
そう、私の『マント』だ。

なんで? 
どうして、それを抱いてるの? 
疑問符だけが、ぐるぐると頭の中を駆け巡っていく。
胸を締め付けるような焦燥感と、そして、一握りの…――嫌な予感と一緒に。

フェイトちゃん…?

そっと、フェイトちゃんの頭に手を伸ばそうとして…。
急に視界が暗転した。

ううん、暗転したんじゃなくて…『目覚めた』んだ。


「ぅ…?」

徐々にハッキリしていく意識と、視界に映るモノたち。
薄暗いけど、くっきりと闇の中にも浮かび上がった白い天井。
首を回すと、同じく白い布団…白いシーツ。

あぁ…ここは。
重い頭をゆっくり起こして…―――やっと気づく。

ここは、グランツ研究所の一室。
私に割り当てられた部屋で…。
さっきのは…夢の中での出来事だったんだって。


「…悪趣味」


思わず額を押さえて、フっと笑ってしまう。
疲れてるのかもしれない。
ここのところ、私らしくもなく考え事ばかりしているから。
キモチ、切り替えなきゃ。

と、ちょうどその時、部屋にとりつけてあった電話が鳴った。
全部屋にある内線らしい。
研究所自体が大きいから、何かあったときはこれで連絡を取ってるんだそうだ。


「…はい?」
『あ、ナノハさん?』
「…アミタさん?」
『はい、寝ているとこ申し訳ありませんが、少し博士から話があるそうなんです。』
「…わかりました」
『中庭奥の突き当たりにある研究室に来てください」
「はい」


そこで電話は切れる。
話って、なんだろう…?
きっとフェイトちゃんの力に関することなんだろうけど…。
とにかく行くしかないか…。

ベッドから降りて、備え付けの鏡を見ながら衣服を整える。
といっても、横になっていたせいで少ししわになった部分を伸ばしたくらい。
それから、ソファに無造作に置いておいたマントを手にとって…ふと止まる。

フェイトちゃんはこのマントを握っていた。
確かにそれは、私のマント。
そして夢の中では…はやてちゃん達もいた。
なのに、何故―――自分はいなかったんだろう…?

………ひどくひっかかった。
なにか、重要な何かに触れようとしているのに、考えれば考えるほど
頭の奥に霞がかったようなモヤが生まれて…。


「…今は、考えるなってコトかな…」


どれだけ考えても答えがでないものは、仕方がない。
それにあれは、ただの夢。現実じゃない。

今はただ目の前の問題を考えよう。
それが、きっと自分に必要なんだ。




キモチを振り切るように、けれど少し躊躇して、私はマントをそのままに部屋を出た。





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  1. 2017/01/07(土) 00:00:00|
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