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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界42








瞬間―――変化が、あった。

突き刺すような風が、徐々に緩やかに私を吹き抜けていき…
そして、やがて包み込む柔らかな風に変わった。
フェイトちゃんの身体から放たれていた光も、掻き消えていく。

フェイトちゃんの覚醒した力が…やっとおさまったんだ…。

それを確認して…私はゆっくりと唇を離した。
そのまま、浮かせていた身体を地面に下ろす。


「ぁ…ぅ…」
「フェイトちゃん…っ」


途端に、フェイトちゃんの身体を糸が切れたように倒れかけた。
慌てて私は身体を支えながら、その場にしゃがみこんだ。


「大丈夫?」
「…大丈夫…じゃ…ないよ…」
「まだ、苦しい?」
「…………」


私の問いにフェイトちゃんは答えず、顔を真っ赤にして潤んだ瞳で軽く睨んできた。
それから、何かを言いかけて…、それでも、きゅっと口をつぐむ。


「なに?」
「……なんでもない…」


なんでもないのに、なんでこのコは口を尖らせてるんだろう…?
首を傾げて顔を覗き込むと、ふいっと顔を背けられてしまう。
…なんで?


「まぁ、いいけど…。身体は? どこか痛くない?」
「節々が…ちょっと…。まだ、頭もクラクラしてて…」
「少し…休んだ方がいかもしれないね」


そっと、フェイトちゃんの身体を抱え上げようとして…――その腕を掴まれた。


「? フェイトちゃん?」
「あの…私に、何が起こったの…?」


一瞬黙る私に、『教えて』とすがる眼差しを向けてくる。
上手く説明なんて出来ない。
でも、私がいえる事は1つ。
さっきのグランツ博士の話。
あれが本当なんだとしたら…。


「………力が…、覚醒したんじゃないかな」
「力…」
「そう…、多分、いきなりのことで身体がついていかなくって暴走したんだろうね」
「…それって、さっき博士が言ってた話のことだよね…」


そこまで言って、フェイトちゃんはそっと私の頬に手を伸ばしてきた。
触れた瞬間、チクっと痛みが走る。
あぁ…、きっとさっきので切ってしまったんだ…。


「ごめん…」
「謝ることないよ。すぐに治るから」


そっとフェイトちゃんの手に、自分のを重ねて安心させるように笑ってみせる。
それでも心配するみたいに私を見ていたフェイトちゃんだけど…次の瞬間、フラっと身体が傾いだ。


「フェイトちゃん…!」
「あれ…、なんだか…ぼーっとして…」
「…少し、休もう。大丈夫、ちょっと身体が疲れただけだから。すぐよくなるよ」


そっと私にもたれかかったフェイトちゃんの瞼に手をかざして閉じてやる。
くすぐったそうに、一度フェイトちゃんは身を竦めたけど…微かに笑って頷いた。


「ナノ…ハ?」
「うん?」
「私…どう…なるの……かな……?」
「…………」


答えられなかった。
どうなるのか…私にも判らなかったから。
でも、不安は口に出せない。
出した途端、それは真実味を帯びてしまうことを知っているから。


「どうなっても…私は、いつでもそばにいるから」


でも、返事を聞く前に…フェイトちゃんは深い眠りに落ちたみたいだった。
規則正しい寝息が私の耳に届き始めたから。

ふと…フェイトちゃんを胸に抱いたまま、あたりを振り返る。
つぼみばかりだった桜が、今では我先にと咲き誇っている…。
まだ季節には早い木々も、新緑深し…という言葉が当てはまるほど。
一番見やるものは…朽ちていたはずの命が…再び生を謳歌しているということ。

これが…フェイトちゃんの力…?
私の力をも飲み込む、その強大さ。
生を…操ってしまったり。
まさか、これほどとは思わなかった。

はらはら、と桜の花びらが私の目の前を落ちていく。
私の心に、浮かび上がった不安をひとしずく落としたように。



それを振り払うように、私は一度首を振ってフェイトちゃんを抱え挙げると…研究所へと飛び立った。





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  1. 2016/12/17(土) 00:00:00|
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