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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界40









目の前でぽつぽつと話すフェイトちゃんにイライラする。
アリシアちゃんを思い出さないとは言わない。
だけど、アリシアちゃんのクローンだからフェイトちゃんを守るだなんて、私は、そんな気持ちで約束したんじゃないっ!!


「約束に縛られないでいいからっ」
「…バ…、バカ!」
「っ!」


びくん、と一度フェイトちゃんの身体が跳ねる。
怯えたような、そんな風な目で私を見てる。
でも、…許せなかった。
私の事、何もわかっていないフェイトちゃんが。


「なんでそんな事言うの…!? 私がいつそんなこと言った!?」
「だって…っ、だってナノハは、軽い気持ちで『守る』って言ってくれただけなのにそれなのに、その言葉で私はナノハを縛り付けて大変な目に合わせてる」
「軽い気持ち…? なにそれ…」


腹の奥から、何か熱い塊がこみ上げてくるのがわかる。
頭ん中を駆け巡っていく血液が、沸騰しそう。
フェイトちゃんは、そんな風に私を見てたの…?
でも…一方で、冷静な私は反省していた。
そんな風にフェイトちゃんに見せていた事に気づいてなかったなんて…。
私こそ、ちゃんとフェイトちゃんを見ていなかったんだ…っ。


「…フェイトちゃん、私は軽いキモチで約束なんかしない」
「でも…っ」


私はアリシアのクローンで、だからナノハ達は…。
そう考えてしまったのは判る。
でも、違う…、違うんだよ…!


「私のそばにいてよ…っ」
「え…?」


思わぬ言葉だったんだろう、フェイトちゃんは呆けたみたいな目で私を見た。
でも、それも一瞬で、ハっとしたみたいに首を横に振る。
それから何かを言いかけるけど…―――私は先に遮った。


「これはフェイトちゃんがフェイトちゃんだから言ってるの!」
「っ!」


ぐっと掴んで引き寄せる、細い腕。
逆らうことなく私の胸におさまる身体。

このぬくもりを手放したくないんだ…っ。
誰にも渡したくないんだよ…っ。


「ナノハ?」
「フェイトちゃん、私を守ってくれるって言ったよね?」
「ぇ…? うん…」
「それは軽いキモチだった?」
「そんなっ! 違うよっ!私、ナノハを本当に守りたいって…!………ぁ…」

言って、小さく声をあげるフェイトちゃん。
気づいた?


「…私も一緒。守りたいの、フェイトちゃんを」
「でも…私のせいで、危険な目に…」
「そうなったら、フェイトちゃんが私を守ってくれるんでしょ?」
「あ…」

そういうこと。
私はフェイトちゃんを守る。
フェイトちゃんは私を守ってくれる。

それは、見返りを求めない無条件の誓約。
揺るがない、私達の誓約。だよね?


「…するいよ、ナノハ」


ぎゅ、と今度はフェイトちゃんに強く抱きしめられた。

フェイトちゃんを思うと、こんなにも胸が締め付けられて。
フェイトちゃんの一つ一つの仕草に切なくなったりして。……独占、したくなって。
それは全て、1つのキモチがずっと心にあったから。

「ナノハ…あのね…」

そっと、肩を掴んで身体を離すと…私をじっと覗き込む。
期待と不安が入り混じっていた。
フェイトちゃんの瞳に映った私も。


―――キミに、触れたい。

と。
言われたと同時に私の唇には暖かいなにか。
恥ずかしいとか、そんなのはどこにもなくて。
ゆっくりと、顔を傾けて…そっと自分のそれを重ねた。


「ん…っ」


ただ、軽く触れるだけなのに、しっとりとしたそれはとても私の心を満たしてくれて。
悪夢の中で触れた唇とは、まるですべてが違ったんだ。
深く…その柔らかさを味わうみたいに、離れかけたフェイトちゃんの唇を今度は私が強引にもう一度繋ぎとめる。


「んぅ…っ」


苦しげに唇の隙間から零れ落ちるフェイトちゃんの甘い声。
硬直する身体。ぎゅっと強く瞑られる瞼。
お互いに、戸惑いとか困惑とか、そんなのを全身で表してるのが伝わってくる。


「フェイト…ちゃん」


驚いた様子のフェイトちゃんは、けれど次の瞬間、嬉しそうに笑った。


大丈夫だよ。
怖がらせるつもりはないから。
少しだけ触れさせて。
私にナノハを…感じさせて?


優しく何度もついばみながら、次第に私を侵食していく。
それはまるで、小さな子供がするキスから…深く絡みつくような大人のキスのように。


「ふぇ…い…」
「ん…」


甘酸っぱい…桜の香りと。
暖かな風の中、フェイトちゃんだけを感じて。
トクン、トクンと胸の鼓動がどんどん高まって、心が熱くなって、細胞の隅々まで
広がってフェイトちゃんへの想いが全身を駆け巡る。


だから。
そっと唇から頬…、頬から耳元に吐息を滑らせて、私は。


「フェイトちゃん…」
「うん…?」
「私…フェイトちゃんが…」


「『好き』なんだ」


その優しい温もりに囁いた。


「フェイトちゃんが、他の誰でもない、フェイトちゃんだから…好き」


瞬間腕に伝わってきたのは、震え。
そして短く息を飲み込む音。

迷惑…だった?
不安になって、顔を覗き込んで…すぐにそんなキモチは掻き消えた。
だって、フェイトちゃんは涙ぐんだ顔で…小さく頷いてくれたから。


「わた…」
「うん…?」
「私も、ナノハが、好きだよ」

一言一言大事に伝えてくれるフェイトちゃん。
それだけで胸がいっぱいになる。

―――きっと…。
―――私、もう多分…ナノハなしには生きられない。

睦言のように呟くと、甘えるような視線が私を見つめる。


「フェイトちゃん?」
「…嬉しい」
「…えっと…」


照れくさくなって、俯く。
もう一度、そのぬくもりを強く抱く。
フェイトちゃん、しばらくしてはにかんだみたいに微笑むと
私の背に腕を回してくれたんだ。


「嬉しいよ、ナノハ ……―――困らせて…ごめんね」
「……うん」
「ふふっ、ナノハは可愛いなぁ」


なんか、涙が、出そうだった。
こんなにも彼女から言われる一言が嬉しいだなんて思わなくて。
私の存在を許して、そして、好きだと伝えてくれて。

だから、私は改めて心に誓う。






何があっても、フェイトちゃんだけは…守ってみせるって。






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  1. 2016/12/03(土) 00:00:00|
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