Posing

初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

行キ着ク果テノ世界37

















「今言った『人間を作る研究』の一員になった僕は、とにかくがむしゃらに研究に打ち込んでた。望まずして生まれてきた子供や、身元不明の受精卵を対象にして、あるチームと一緒になって」
「チーム…。研究チームのこと?」
「そう。その研究チームには、僕の他にもう一人、それがジェイル・スカリエッティだ」
「スカリエッティ…!?」


顔色が変わる私達とは対照的に、うつむいてしまったのは向かいに座っているアミタ達。
スカリエッティは、何か凄く重要な人なのだろうか…?


「さっきアミタが言った、プロジェクトFATE。それは君のお姉さんっと言っていいのかな?アリシア・テスタロッサの母、プレシア・テスタロッサが行った研究の事だ。」


今度は、私達が俯いてしまう番だった。
それは、私が生まれたきっかけで。
それは、ナノハがアリシアを失ったあの日がきっかけで。


「彼女は天才だった。僕たちが一度も成功しなかったクローンの生成に成功したんだから。」
「成功しなかった?」
「そう。僕たちは何度やっても命を作り上げることは出来なかったんだ。何度も文献を見直して、挑戦して、それでも駄目だった。だから、命を作ることを諦めたんだよ。」
「諦めた?ならどうして私を狙うの?」


顔も見たことない母を天才だと博士は言う。
ナノハいわく、性格や言葉遣いなんかはアリシアとは似ても似つかないって言われたし。
100%成功したとは言えないけど、それでもこうして今私が生きているという事実は、研究者からしたらすごい事なのかもしれない。


「僕たちは命を強くすることを求め始めたんだ。すでにある命を使って、本来持つはずのない寿命や能力を持った人間を作ること」
「そんなことっ!!」


たまらずナノハが声を荒げる。
長すぎる寿命、能力。
その二つで、ナノハは何度も絶望を味わってきた。
はやてだってそうかもしれない。


「まぁ落ち着きたまえ。その研究にしても、結局まともに成功はしなかったんだ。」
「えっ?」
「僕は…この計画の無意味さに気づいた。人が人を作るコトの恐ろしさ…、人を人でなくすことの恐ろしさ…。それに気づいて…半年で去ったよ。変わらずに間違った道を歩いていたのは、スカリエッティだけだ。」
「…いつ、あなたは計画から外れたんですか?」


ナノハの問いに、博士は一度くしゃっと髪をかきあげた。
罪の意識とか…そんなのが溢れかえってきてるのかもしれない。
辛そうにしかめられたその顔が痛々しい。

「アミタとキリエに出会った時だよ…そこの二人は僕たちの研究の実験体としてやってきたんだ…。まだ幼かった二人に、僕達は容赦ない実験を施した。それでも…」


少しごつごつとした優しくて大きな手が二人の頭にポンっと乗せられた。
クッと自嘲気味に笑う博士の目には何が映ってるんだろう。
きっと、私なんかが想像もできないぐらい辛い過去なのかもしれない。


「それでもこの二人は、僕に笑いかけてくれたんだ。「お父さん」なんて呼んでくれてね。僕は本当に大切なことを忘れてしまっていたみたいだよ。」

実験の影響か、アミタ達は人よりほんの少し強い力を手に入れた。
それは決して、能力なんて大それたものなんかじゃなくて、ほんの少し、身体能力が高いだけ。後は、何も変わらない人間であれたこと。


「それ以降、僕はこの子達と、実験で傷ついた子を助け出して、元の社会へ返すお手伝いをしているんだよ。」
「……話はわかりました。でも、それでどうしてフェイトちゃんを狙ったの?」


ナノハから出た疑問は、もっともなものだった。
今の話しからすると、私は本来のあり方で生まれたわけではないけれど、特に身体に支障があるわけでもない。何不自由なく生活していた。


「一度も成功しない実験に、諦めるどころか彼はさらに執着してしまってね」
「彼?スカリエッティ?」
「そう。そこで彼は知ったんだ。あのプレシア・テスタロッサのクローン…君が生きているということに。」
「…………」
「僕も驚いたよ。何せ彼女の実験が行われたのはかなり前の話し。仮にその生を全うしていたとしても、出会うはずがないんだから。」


ナノハが言っていた言葉を思い出す。
私が幸せに生きられるようにって、『リニス』がこの時代を選んでくれたって。
生れたてのあの頃、ナノハは私に出会ったと言っていた。
けれど、まだ完全に目覚めていなかったら?

研究を手伝っていたリニスが、その知識を使い、この時代を選んでくれたとしたなら、なんの不思議もなかった。


「理由はわからないにしろ、これほど貴重な存在はないと思ったんだろうね。同時に、その子の持つある力も発見した。彼はこれを利用するために、僕はそれを使わせないために、君を狙ったというわけだよ。」
「……はっ?」


覚えのない話に、空いた口がふさがらない。
だってそうでしょ?能力なんて、私には心当たりがないしそんなものを使った覚えも、見せた覚えもない。
隣に座るナノハも困惑したような表情を浮かべている。


「困惑するのも無理はない。使おうと思って簡単に扱えるものじゃないだろう。それほど君のもつ能力は大きな力なんだ。そこで…ナノハ君に質問なんだが。」
「私…ですか?」







「アリシア・テスタロッサが亡くなった日の事を覚えているかい?」






スポンサーサイト
  1. 2016/11/12(土) 00:00:00|
  2. 行キ着ク果テノ世界
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<行キ着ク果テノ世界38 | ホーム | 行キ着ク果テノ世界36>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://g1n2m3.blog.fc2.com/tb.php/310-7a726a7f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

M2(エムツー)

Author:M2(エムツー)
色んな方にアドバイス頂き、書かせていただいています。
亀更新の割に中身が薄かったり、短かったりしますがご了承ください。

当サイトはリンクフリーですが、一言リンクしたことをお知らせいただけたら嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

Night of a new crescent (53)
私達は愛を知らない (32)
行キ着ク果テノ世界 (66)
アレルヤ (37)
中編(アリシア&なのは) (13)
短編 (16)
リクエスト (11)
お返事 (39)
雑記 (70)
未分類 (1)

アクセスカウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。