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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界33





自分の中から、何かが抜け落ちる感覚…。
そして、眩い光。

何が起こっているのか判らなかった。
けれど、気づいたときには…私の目の前には一人の女の子が両手を広げて立っていたんだ。
まるで…私を、守るように。


「なんだ…? コイツは…!? どこから出てきた」


うろたえるような男達の声。
いきなりの事に、状況を把握できていないんだろう。
でも、目の前の彼女は怯むこともなく、ただじっと前を見据えている。


「ナノハをこれ以上傷つけるな…っ!」


言われた言葉に、私はハっとした。

ナノハ…それは私のことだ…。
彼女は私を知っている。
ううん…私…も、彼女を知っている…?

どこだ? どこで出会った? 彼女は誰?


ズキン!


「痛…ッ」


…っ。酷く頭が痛む。
記憶を辿ることを邪魔するように。


「ナノハ…っ? 大丈夫…っ!?」


そんな私に気づいたのか、彼女は私のすぐそばで顔を覗き込んできた。

ズキン! ズキン!

途端に頭痛が増す。
思い出したい。思い出したいのに…っ。

雨に濡れた金色の髪。力強く私を見つめる瞳。


「あなたは…誰?」
「私は……」

「そこまでだ。とんだ茶番だな、315番」
「!」

彼女の言葉を遮って、男達が再びこちらに殺意を向ける。
照準は私達…二人。


「予定は少し狂ったが、死んでもらう」
「っ! させない!!」
「!?」


再び両手を広げて私の前に立つ彼女。

ズキン!!

気丈なその姿が―――私の記憶の鎖を、引きちぎった。


フラッシュバックされる世界。
光の洪水が私の中に、たくさんの情報を流し込んでくる。

そうだ、私は彼女を知ってる…っ。


『私だって、なのはを守りたいし、なのはを信じるよ』

いつか言った、あなたの言葉。
私を守ろうとして言ってくれた言葉。

『誰も、誰かの命を奪う権利なんてないよ…っ。なのはを殺す権利も、なのはが殺す権利もない…っ』

命の尊さを、必死に訴えていたあの瞳。
そう…それは確かに、彼女の瞳。


どうして忘れてしまっていたんだろう?
こんなにも…こんなにも、胸を締め付けるような『キモチ』を教えてくれた彼女を。

―――フェイトちゃんのコトを…!


「なら、一緒に死ぬんだな…」


その殺意が、私でなく彼女に向けられていて…。
危ない!とか、そんな言葉を言う前に、もう私は動いていた。
盾になってくれた彼女を…。
決して雨のせいだけではない、何かに濡れた瞳をもった彼女を…。

―――その腕の中に引き寄せて、強く抱きしめて。





「死ぬのは、あんたらや。」


覚えのある、けれど記憶にあるよりずっと低くて感情のない声。
でもこれは、確かに―。


「「はやて」ちゃん!!」


私達を守るかのように突如として現れたはやてちゃん。
だけど、いつものお茶目で優しいはやてちゃんはそこにはいなくて。
唖然とする私達の耳に届いたのは男たちの絶叫だった。


「あんたらか?大事な親友を傷つけたのは?侮辱したのは?」
「なっ、お前もヴァンパイアか!?」
「質問が聞こえんの?ほな、役に立たん耳はもう要らんね。」


再度響く、男の絶叫。
両手で耳を押え、のた打ち回る。
駄目だ、駄目だよはやてちゃん


「はやてちゃん!私は大丈夫だよ!だから…」
「大事な親友を道具扱いしたのは誰や!!」
「ひっ、ひぃぃ」
「優しい心を持ったこの子の心に土足で踏み入って…っ」
「ぎゃぁぁ!!」


やめて、はやてちゃんはそんなことしちゃいけないよ。
お願いだから…っ。


「私らかて、守りたいもんが・・・家族だっておるんや!!」
「ひっ・・・」
「あんたらに殺されたヴァンパイアの夫婦は、あんたらに何かしたんか!!訳も分からず襲われて、そやのにか弱い人間の為に大した抵抗もせずに、必死に子どもを守ってただけやろ!!」
「も・・・ゆる、し・・・」
「目の前で両親殺されて、ボロボロに傷ついた子を道具のように扱って・・・」

「はやてちゃ…」
「はやてっ!!」


止めようとした私とはやてちゃんの間に立ち入ったのはフェイトちゃん。
私が守ろうと抱きしめていた彼女は、私の手を握り、大丈夫って伝えてくれていた。


「………邪魔するんか?フェイトちゃん」
「やっぱり…私の事がわかるってことは、過去のはやてじゃないんだね」
「えっ?」


フェイトちゃんを睨みつけるようにはやてちゃんは沈黙する。
その沈黙は、フェイトちゃんの問いを肯定しているようなもので…。


「フェイトちゃんは知らんやろうけどな、ナノハちゃんは本当はこの後、殺される寸前までこいつらに傷つけられた。」
「…………」
「寸前で間に合ったけど…血みどろの身体でな、ナノハちゃん笑うんや」

『はやてちゃん…私にも…笑ってくれる子が…いたんだよ。だから、はやてちゃんも…人を嫌いになっちゃ…ダメだよ』


唇を噛み締めて、何かに耐えるように、そしてゆっくりと息を吐きだし、はやてちゃんは口を開く。


「ナノハちゃんのお蔭で、人間の見方も変わった。だから、あの4人と出会うことが出来て、家族が出来た。でも、大切なナノハちゃんを殺そうとしたこいつらを許すことは出来ん。あの時は、ナノハちゃんが言うから見逃したけど、今こうやって同じ場面に立たされて、見す見す見逃すなんてことできん。」
「はやてちゃん…」
「はやて、八つ当たりしないで」


初めて聞いた、はやてちゃんの想い。
小さいころから友達で、仲間を失った時も、裏切られても、それでもへこたれない私に呆れながらも、励ましてくれて、支えてくれた。


「八つ当たり?」
「はやては、ナノハを守れなくて、ずっと後悔してるんでしょ?違う?」
「そんな子供みたいなこと…」
「自分の居ない時に、駆けつけられない時に、ナノハは傷ついて…その度に後悔したんでしょ」
「…………」


『諦めるなんて、ナノハちゃんらしくないで!』
変わらない笑顔で、励ましてくれたはやてちゃん。


『しばらくは、ここでゆっくり生活しよう?大丈夫や、楽しい話ははやてちゃんが持ってきたるよ!』
家族を失った私に、ボロボロになった私にずっと寄り添ってくれて。
屋敷で始めた生活。
けれど、もしかしたら、人間から私を遠ざけようとしていたのかもしれない。


「ここはナノハの過去だよ。はやてまで過去にしばられないで。ナノハは、はやてにそんな事望んでいない。」
「…………」
「はやてちゃん、ごめんね。いつも無茶ばっかりして、ずっと心配してくれていたのに、大丈夫ってまた繰り返して…その度に、はやてちゃんは傷ついてたんだよね。」
「…ナノハちゃん」
「はやてちゃんが居たから、今私はここに居るんだよ。大好きで大切な、私の親友がいつも傍に居てくれたから、私は私で居られたんだよ。」


ありがとう―。伝えた言葉に、はやてちゃんの顔がくしゃりと歪む。
うん。きちんと伝えないで、はやてちゃんに甘えてばかりの私だった。
もう、大丈夫だよ、ありがとうって、伝えなきゃいけなかったんだ。


「あぁーあ、まさかフェイトちゃんに諭されるとはなぁ。」
「…はやて?」
「大きにな、ナノハちゃん」
「…っ、うん!!」


「それと…」
「えっ?」


ザシュ!!


「ごめんな?」
「はやて…ちゃん?」
「ナノハ!!」








ゆっくりと、意識を胸元に向ける。
視界が捕えたはやてちゃんの腕は、間違いなく、私を貫いていた。






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  1. 2016/10/15(土) 00:00:00|
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