Posing

初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

行キ着ク果テノ世界22








どうする…っ!? 姿を見られた。
このままだと追っ手を呼ばれてしまう…っ。

「っ!はやてちゃん!」
「あぁ、面倒くさいなっ!」

はやてちゃんに呼びかけて、私は目の前に居る男に……
けど、

「あれ…、僕に用があったんじゃないのかな?」
「僕にって…?アンタ誰や?」
「グランツ・フローリアンだけど?」

まさか、ターゲットに見つかるなんて…っ。
戸惑っている私達とは対照的に、彼は困ったみたいに首の後ろを かきながら着ている白衣の襟元を正す。
それから、もう一度私達を見つめて

「君たちは…。……?」

―――眉をひそめた。
そして次の瞬間、私に何かに気づいたような驚いたようなそんな表情が広がっていく。

「そこの君…まさか…」
「…? なに?」


私が…なに?
っというか、私の事を知ってる感じ…?

と、その時。
ピ――という電子音が、部屋に響き渡った。

私とはやてちゃんは身構えるけど、彼は「あぁ…」と軽く声を上げて、扉横のスイッチを押した。内部通信…?


「僕だけど?」
≪あっ、博士? その部屋に侵入者は居ませんか?≫

フォン越しのこの声…っ、『アミタ』の声だ…。
マズい…、今ここにいるのがバレるときっと捕えられる…っ。

私ははやてちゃんに視線を向けて、合図を送る。
きっとはやてちゃんも同じことを考えてたんだろう。
すぐに頷いて獲物を捉えたような視線で彼を見据えた。

行くしかないか…っ。

そう思った時。

「……ここにはいないよ。別の所探してくれないかい?」

…えっ?
なんで…っ?

予想外の言葉に、私もはやてちゃんも止まる。

≪わかりました、もし不審者を見つけたらすぐに呼んでくださいっ≫
「わかってるよ」

そこで通信は切れた。
それから彼は、私達に振り返って肩をすくめて笑ってみせる。

「…どうして私たちを庇ったんですか?」

当然の疑問をぶつける。
けど、彼はその疑問に答える事無く、私達の横をすり抜け背を向けるとカプセル状の機械に触れ始めた。
研究者特有の自作品への愛着心なのか、その手つきは優しくて…
私の中の、形の見えない苛立ちを呼び起こすのには十分だった。

けど、その一瞬の感情の変化を読み取ったらしいはやてちゃんが、私の前に出て制してきた。
『落ち着け』――、口パクで伝えてきた言葉に、少しだけ…冷静さを取り戻せた気がする。

………。付き合いが長いってのも考えものかもね…。

「答えて」
「…その前に…」
「…?」
「その前に、F……いや、フェイト・T・ハラオウンを保護したっていうのは君達かい?」

フェイトちゃん…?どうして今ここで、あの子の名前が出るの?
っていうか、どうして判った…?

「どうなんだい?」

一瞬ためらった。
隠すべきか、どうなのか。
けどアミタ達と接触した時点で、いずれ彼の耳にも届くことになるだろう。
なら、ヘタに隠すのは得策じゃない…。

「だったら何?」
「………そうか」

私の返事に、彼はカプセルの窓を見つめながら苦笑したみたいだった。
全く意図が読めない…。

「…やっぱり、出逢うのが定めだったのかなぁ…」
「どういうこと?」

言われた意味が判らなくて聞き返すけど、彼は、くるっと振り返って一度笑い「なんでもない」とだけ言って、中央の装置に向かっていった。
このままじゃラチがあかない…。
今は、少しでも情報が必要なんだ。
彼が責任者なら、聞きださなくてはならない。
何を目的としているのかを。

「…あなたがアミタ達を使って、フェイトちゃんを狙っていた事は知っています」
「うん。二人がボロボロになって帰ってきたのには驚いたよ。」
「どうして、フェイトちゃんを狙うの?」

問いかけても、彼は装置を検査しているのか興味なさげに私達を一瞥する。
それから

「どうしてだろうね? あの子が可愛いからかなぁ? 手元に置いておきたいなぁって 思うんだよ」

上手くかわされた。
しかも、挑発混じりに。
けど、挑発だと判っていて、わざわざ乗るような真似はしない。
はやてちゃんが問いかける。

「この装置はなんですの?」
「これは安眠装置だよ。人間の血液の循環を管理して、いい夢をぐっすり見れるようにしてくれる」

…ダメだ…役者が違いすぎる。
きっと、このまま疑問をぶつけても欲しい返事は得られないだろう。

でも。
ちょっと待って…。
もしかしたら。

……最後の賭けに出てみるか…。

「…あなたとスカリエッティの関係は?」
「……」

――ビンゴ。

彼の表情が変わった。
驚いたみたいな、けれど感心したみたいな曖昧な表情で私達を凝視してきたから。

「…そこまで辿りついているんだね」

手ごたえはあった。
彼の周りに張っていた突き離すようなオーラが、一瞬にして解かれたのが判る。

「戦友…、いや、戦友だった」

戦友だった…?
スカリエッティと彼が…?
きっと、彼の様子から見てその言葉に偽りはない。
だとすると、一体なんの『戦友』なの?

「それってどういう……」

言いかけるけど、

ピ―――

再び鳴るインターフォン。
彼が、ゆっくり近づいてまたスイッチを押すと同時に、キーの高い音が響いた。

≪ちょっと博士!その部屋に博士以外の生体反応が2つあるけど!?≫
「あー…」

あの声は、キリエだ。
切羽詰まった感じからして、相当焦ってるみたい。
どうやら、バレちゃったみたい。

≪いいっ!?今から向かうからっ! ちょっとっ!誰かは知らないけど覚悟しなさいよ!≫

ブチッ!

一方的にインターフォンは切れた。
なんかキリエって、一直線な子なのかも。

「タイムアップだね。…そこのカプセルの後ろに非常用の戸口がある。そこから逃げるといいよ」

苦笑しながらも、彼はカプセルの後ろを指差した。
侵入者に逃げ道を教えるなんて…。

「どうして逃がしてくれるの?」
「いいから行きなさい」

私の問いにも、彼は笑みを浮かべながら背を押してきたんだ。
その顔に、最初の高圧的な雰囲気はなかった。

「ナノハちゃん、今は一旦引こう」
「…わかった」

はやてちゃんの言葉に、うなずく。
それからはやてがまず戸口を出て、私が追おうとした直前、彼はぐっと一度、私の腕を掴んで引き寄せてきた。
振り返ると、初めて見た優しい眼差し…。


「ナノハ君に…今はまだフェイト君を預けておくよ。しっかり守ってあげるんだ」
「っ!なんで私の名前…っ」

≪博士を助けるのが先決です!≫

「来たみたいだね…っ、もう行きなさい…!」
「……わかりました」

結局…彼が一体何者なのか…ちゃんと判らなかった。
ただ…彼は私達の敵ではない…、そんな感じがしたんだ。


「博士っ!?大丈夫ですかっ!?」
「僕は、なんともない」
「本当にっ!?誰かいたんでしょ!?」
「まぁね…。それよりアミタ、キリエ」
「「はい?」」
「少し、風向きが変わりそうだね…」
「「はぁ?」」
「とりあえず、僕の部屋で話そうか」






「さて……シナリオが…狂い始めたなぁ…。どう出る?スカリエッティ」






スポンサーサイト
  1. 2016/07/30(土) 00:00:00|
  2. 行キ着ク果テノ世界
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<行キ着ク果テノ世界23 | ホーム | 行キ着ク果テノ世界21>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://g1n2m3.blog.fc2.com/tb.php/294-e23fd68b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

M2(エムツー)

Author:M2(エムツー)
色んな方にアドバイス頂き、書かせていただいています。
亀更新の割に中身が薄かったり、短かったりしますがご了承ください。

当サイトはリンクフリーですが、一言リンクしたことをお知らせいただけたら嬉しく思います。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

Night of a new crescent (53)
私達は愛を知らない (32)
行キ着ク果テノ世界 (66)
アレルヤ (37)
中編(アリシア&なのは) (13)
短編 (16)
リクエスト (11)
お返事 (39)
雑記 (70)
未分類 (1)

アクセスカウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。