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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界19






はやてちゃんはニコリと微笑み、捕まえた二人をその場にとどまらせる。
いかに素人なこの子たちでも、逃げられないって悟ったのか、大人しい。

ゆっくり向かいのソファーに腰をかけて、手近な用紙とペンを取り出した。
私とフェイトちゃんは、その紙を覗き込む。


「まず…、人間兵器を造っているっていう『スカリエッティ』。そして、ナノハちゃんたちを襲ったと思われる『グランツ』。 この二つがどんな関係があるにしろ、フェイトちゃんという存在で繋がってるワケやね?」
「そうだね…。」


クセのある文字で、それぞれの名前を書き込むと四角で囲み、一本の線で繋げる。


「そして…そのフェイトちゃんは、今、私達の元に」


『スカリエッティ』と『グランツ』から伸ばした矢印の先に、『フェイトちゃん』の文字を書いて四角で 囲むはやてちゃん。
ちょうどそれは、トライアングルでできたカンジ。


「サイアクなパターンやね…」
「…確かに」


紙に書かれた勢力図を見て、苦笑するしかなかった。
一方は、キリエ達が集うと思われる、謎の研究所。
かたや一方は、能力者を造ってるとされる研究所。
どちらも情報が少なすぎて未知数だ。
でも、普通の人間相手じゃないなんてことはわかりきってる。

…で、私達はというと…。
勝ち目なんて考えるのもバカらしいぐらい。
それでも―


「ねぇ、ナノハ、はやて、私…」
「とりあえず、どないする?乗りかかった船やけど、勝負ごとに負けるなんて、うちは嫌やよ?」
「ナノハ、はやて…あの…」
「そうだね、まずこの二つの情報がなさすぎるよね」
「ねぇってばっ!!」
「「…!?」」

大きな声に、顔をあげる私とはやてちゃん。
声の先にはフェイトちゃん、その顔はなにやら複雑そうで…。


「いいんだ。」
「いいって何が?」
「どう考えても、危険な方向にしか話は転ばないと思う。そんなことに、私の私情で二人を巻き込むなんて出来ない。それに―」


ほんの少し、泣いてしまいそうな表情で私を見つめるフェイトちゃん。


「これ以上、ナノハに傷ついて欲しくない。」
「………フェイトちゃん」


回復しきっていない身体。その身体には隠しきれていない包帯だってフェイトちゃんには見えているわけで…。そんなことが頭を過りつつ、私はフェイトちゃんに向かって笑顔を向ける。


「あのね、言い方は悪いけど、フェイトちゃんと出会った時点で、もう巻き込まれてるんじゃないかな?」
「そ、それは…」
「それに、巻き込む巻き込まないを抜きにして、私はフェイトちゃんを守りたい」
「それは、私がアリシアのクローンだから?」


問われて首を振る。


「違うよ。初めて出会った時からくれた優しさや暖かさは、他の誰でもないフェイトちゃんがくれたものだよ。嬉しかった。」
「…ナノハ」
「フェイトちゃんと、一緒に居たい」

フェイトちゃんが、どれだけアリシアちゃんと似ていようとも、フェイトちゃんはフェイトちゃん。
アリシアちゃんは、アリシアちゃんなんだ。
今こうして、一緒に居たい、守りたいって気持ちはフェイトちゃんがフェイトちゃんだから。

「ありがとう、ナノハ」
「お礼なんていいよ。私は私がやりたいようにしているだけなんだから」
「うんっ!」

「…お二人さん。完全に私の事忘れてない?」


拗ねたみたいな言い方をして、口を尖らせるはやてちゃん。
そういえばはやてちゃん居たんだっけ?なんてことは口にしない。


「全く…ナノハちゃんも隅に置けんなぁ。今も昔もこーんな別嬪さん捕まえるなんて」
「いや、はやてちゃん?」
「ともかく、フェイトちゃん!!」
「は、はいっ!」


ビシッと指を指し、はやてちゃんはニヤリと不敵に笑う。


「ナノハちゃんは私の親友なんよ。親友が危険な目に合うかもしれないって知って、フェイトちゃんやったら黙って見守るか?」
「助ける。」
「その通りや。そして一緒に、親友の大事な人が危険な目に合うてわかったら」
「助ける」
「それだけの答えがすんなり出てくるんや。私も参加させてもらうよ」
「はやて…」
「私は私のやりたいようにやってるだけやよ?」

はやてちゃん…。
それ…、私がさっき言ったセリフだよね?


「さてっと…」


言ってゆっくりと振り返るはやてちゃん。
その視線の先には、正座状態のノーヴェとウェンディ。


「あんたら、この場所は忘れられるん?」
「えっ、あ…っ、はいっ、ここをこう行って…あそこを曲がるから…大丈夫っす!」


……。
全然大丈夫じゃないと思うのは、私だけ?
フェイトちゃんに視線を向けると、天井を見上げて『お手上げ』というジェスチャーをしていた。
はやてちゃんも首を二・三度振って、それから私達の方に振り返る。


「どうすんの?」
「どうするって…、私に聞かないでよ」
「っていうか、忘れる以前にここに辿り着いたってことは居場所ははっきりとばれてるんじゃ?」
「「…あっ」」


的確なフェイトちゃんの言葉にハッとする私達。
…長年生きているヴァンパイアの知識が何と情けない。


「……ええか、二人とも」
「「はっ、はい」」


はやてちゃん、耳赤いよ。
きっとはやてちゃんも同じこと思ったんだろうな。
フェイトちゃんの言葉にあえて突っ込まないのがその証拠。


「戻ったら、こう伝えるんや。フェイト・T・ハラオウンは、ヴァンパイアの軍勢に守られていて手が出せませんでしたってな」
「「ぐ…軍勢?」」
「キチンと伝えんかったら、お二人さんの血は、はやてさんが美味しく頂きます♪」
「「わかりましたっ!!」」


返事と共に、脱兎のごとく飛び出していった二人。
あれだけ怖がっていれば、キチンと伝えられなかったとしても、何かあったことは一目瞭然。にしても―


「はやてちゃん、軍勢は言い過ぎなんじゃない?」


軍勢と言うにはあまりにも少ない。
その数、二人。私とはやてちゃん。
確かに、人間よりかは戦闘能力も幾分高いとは思うけど…。


「何言うとるんや、シグナムやフェイトちゃんも入れたら全員で七人もおるんやで!!」


どや顔で語るはやてちゃん。
いや、フェイトちゃんを守る軍勢に、フェイトちゃん入れたら駄目でしょ。
困った顔の私に、思わず笑い出すフェイトちゃんだった。






結局、はやてちゃんの熱い語りは、シグナムさん達が戻ってくるまで続けられたのでした。








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  1. 2016/07/09(土) 00:00:00|
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