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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界18






「あんたら…いったい何者や?」
「えっ!? えっと……ノーヴェ…っ!」
「あ…おう…っ」


はやてちゃんの問いに、赤い髪を後頭部でまとめたその子は、隣に座り込んでいた子に呼びかける。


「う…っ、動くな!」
「動くな!」


勢い良く言い放って、腰元から短銃を取り出して身構えてきた。

…本当なら、ここで緊迫した空気が流れるんだろうけど…。


「ねぇ」
「う…っ、動くなって言ってるだろ…!」
「そうじゃなくて…、その銃セーフティーが解除されてないよ?」
「え…? えぇ…っ!? ウェンディっ! ど、どこだっけ…!?」
「ど、どこって聞かれても…っ」


慌てて、銃をオタオタと操る二人。
なんか…素人だよね、明らかにさぁ…。


そのスキをついて、はやてちゃんが背後に回りこむと一気に二人の腕を締め上げた。


「あっ、い、痛い…っ!」
「やっ! もう…っ、ノーヴェのせいっすよ~! ちゃんと、博士に使い方を聞いて
おかないからぁ…っ」
「だ、だって、ウェンディが知ってると思ったんだよ…っ」


『ノーヴェ』と『ウェンディ』ねぇ…。
情けない声を上げている二人から転がり落ちた短銃を拾うと、私はゆっくり
二人に近づいた。
どんな理由かわかんないけど、私達の跡を尾けていたのは確かみたいだから。
事情ぐらいは、説明してもらわないと…。


「ねぇ…もう一度訊くよ? 貴方たちは何者?」
「あ…えっと…通りすがりの通行人です…っていうのはダメ?」
「もちろん信じない」
「ですよねぇ…。あっ、痛っ!」
「正直に言うてくれな困るよ?人の家に無断で入って来てるんや、それなりの覚悟してもらわなね?」


グっと二人の腕を強く締め上げながらはやてちゃんが呟く。
と、同時に、私も奪った短銃のセーフティーを解除してスライドを一度引いた。
ガシャン、となる金属音と、ただならない雰囲気に、二人は異常なくらい反応して
怯えた声を上げた。


「い、言いますっ! 私達、博士の所から来たんっす」
「跡を追いかけろって言われて…っ、居場所を突き止めるまで帰ってくるなって
言われたから…っ」


『帰ってくるな』って…、見失っていたりしたらどうしたんだろう?
というか…博士って………。


思い出すのは先の戦闘。
博士の為だとフェイトちゃんを奪いに来たあの二人。
フェイトちゃんも同じコトを思ったのかもしれない。
訝しむみたいに、私に視線を送ってきたから。


「博士って誰の事や?」
「「ス、スカリエッティ博士!」」


そんな思考を遮るみたいに、声を出したのははやてちゃん。
綺麗に揃った声で返事をした二人に、目を丸くする。
息がピッタリなことに圧倒されたわけじゃない、その様子はまるで。


「? はやて、知ってるの?」


フェイトちゃんが軽く尋ねるけど、はやてちゃんは切羽詰ったみたいな表情をした。
それから一度何かを言いかけ、俯くとゆっくり口を開いたんだ。


「ジェイルスカリエッティ。表では優秀な科学者として、けどその裏では、色々暗躍してるって噂や。」
「え…っ」
「薬の開発って聞けば、世のため人の為って思えるやろうけど、そもそも薬ってもんは、人が使うためのものやろ?」
「あ…うん」
「裏では…――身寄りのない人たちを攫って、人体実験なんてこともしてるらしい」
「…………」
「本来ならあり得ない能力を持った人間。いわゆる人間兵器なんて物騒なんに手つけてるって噂や。」


…声が出なかった。
人体実験……? そんなコトができるワケ…っ。
だってそれは、明らかに人としての禁忌を犯している。


「じゃ、じゃあ、ちょっと待って!」


少し動揺してしまっているのか、フェイトちゃんの声が上ずる。


「もしかして、キミ達も被験者なの!?」
「あ…っ」


はやてちゃんに捕えられてる二人に駆け寄るフェイトちゃん。
けど、二人は顔をあわせると、寂しげに首を横に振った。


「私達は…失敗作なんっす」
「失敗作…?」
「能力が開花しなかったんだ」
「そう…」


フェイトちゃんのホっとしたみたいな、泣き出しそうな曖昧な表情。
多分、実験と研究でその生に大きな弊害は生まれなかった安心と…、能力者を造っているという 現実を突きつけられたから。

もっと言うなら…、もしかしたら…――クローンとしてこの世に生まれたフェイトちゃんと、何か関係が――…?


そんなハズはない…っ!
もはや時間軸が違うんだ。アリシアちゃんが居たあの頃、フェイトちゃんが生まれた日。
全てにおいてそれは最近の話しではない。
リニスさんがフェイトちゃんに関わる技術と研究を知っていたとしても、勘の良いあの人の事だ。後世に情報を残すなんてこと…。


自分に言い聞かせて、冷静さを保つ。
こんなコトで、自分を見失うワケにはいかないから。


「けど、人間兵器を造ってるとして、どうするつもりなの…?」
「それは…わからないっす。けど、最終的にはヴァンパイアに匹敵する力は持てるって」
「対ヴァンパイア…!?」
「…それは違う。博士の研究達成に、ヴァンパイなんて障害の対象にない。ただ、そこに居るフェイト・T・ハラオウンを連れて来いって」
「…一体、どういうコト…?」
「さぁ、でも、なんか凄い力を持っているって…?」

ワケがわかんなくなって、捕えた二人を見る。
その視線に気づいたんだろうけど、二人は『これ以上何も知りませんよ?』と訴えるように 首を振るだけ。

もしかしたら、能力がある・ないで格付けがされているのかもしれない。
いわゆる、異端者には内部の情報さえも伝わらない、そんなカンジ…。

…だから…こんな風に、捨て駒のような扱いをしたり…。


「ねぇ、あなた達は他に何か知ってるコトはないの?」
「え…あ…、特には…」
「そう…」
「あっ、でも…」
「なに?」
「関係あるかどうか判らないけど、博士が『ターゲットがグランツ研究所に行った時はもういい』って言ってたよな?」
「あっ、そうっす!」
「グランツ研究所…!?」


出てきた言葉に、また驚いた。


「……一応確認しておくけど、あなた達の仲間に、キリエ・アミタって名の子は?」


私の問いにふるふると首を振る二人。
どうやら庇っている様子もないようだし、これは本当に知らないと言ったところか。


となれば…キリエ・アミタが集まっているとされる、グランツ研究所。
そして…能力者を造ってるとされるスカリエッティ研究所。
この二つは…ううん、間違いなく関係がある…。
でもそれに、どうしてフェイトちゃんが?





「とりあえず、情報を整理してみよか?」






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  1. 2016/07/02(土) 00:00:00|
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