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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界16








目の前が暗い…。
気がついて、最初に感じたのはそれだった。

一体…何が起こったんだろう…?
頭の芯が、妙にビリビリしているけど、それは一体なんなんだろう?
考えようとして、自分がまだ目を閉じたままだというのを思い出して、ゆっくりと開いた。

暗い、暗い天井が広がっていた。
もう一度、瞬きをしてみる。
景色は変わらなかった。


「う…痛…」


身体を起こすと、痛みが突然襲ってくる。
どうしてだろう…? 私は、何があったっけ…?
それに、今は何時なんだろう…?

そういえば、狼に襲われて…洞窟で休んで…そして。
そう、突然二人の女の人に声をかけられて…。
襲われたんだ…っ。
やっと鮮明に、状況を思い出し始める。


『私だって、ナノハを守りたいし、ナノハを信じるよ』


そうだ、そのまま戦闘になって…でも、気を失って…っ!
フェ、フェイトちゃんはっ!?

バっと、起き上がって辺りを見渡す。
記憶に会った岩岩でごつごつした風景はそこにはなくて、木の心地よい香りに包まれた一室に私は居た。
灯りのともされていない部屋に一瞬警戒したけれど…そこに殺気なんてものはなくて少し安堵する。だけど、フェイトちゃんの姿も見当たらなくて…。
それにだんだん不安が押し寄せてくる。


「フェイトちゃん…? フェイトちゃんっ!」


呼んでみるけど、返事はない。

もしかして、私を残してどこかへ行ってしまった…?
ううん、そんな筈はないっ。
確か、あの二人は撤退したはずだし…きっと。
じゃあ、どこに…?


ぐるぐる考えてみても、答えなんて出るはずがなくて。
早くフェイトちゃんを探さなきゃって、扉の方へ進もうと―


「……っい、たぁ」


突然の激痛に思わず身体を曲げて痛みに耐える。
出血こそないけれど、ゆっくりと傷口に手を当ててみれば痛みに引き起こされたかのように、じんわりと熱がこみ上げる。


「ナノハっ!」
「…っ!? フェイトちゃん!」


ゆっくりと顔をあげれば開かれた扉から、驚いた顔をしてこちらを見つめるフェイトちゃん。
あぁ、良かった。無事だったんだね。


「まだ動いちゃダメだよ!あんな大怪我してたんだから」
「だって、フェイトちゃんが居なかったから。もう放っておけば勝手に治るよ。」
「ダメ。シャマルに手当てしてもらったとはいえ、熱だって出てたし、体力だって落ちてるはずだよ。」
「いや、それは、その…んっ?シャマル?」

「やっほーナノハちゃん。怪我の具合はどない?」


フェイトちゃんに会えて、嬉しいやら安心やらでほっとすれば、フェイトちゃんの口から飛び出た懐かしい人の名前。
一瞬の困惑を打ち消すように、フェイトちゃんの背後から聞こえた声はまた懐かしくて…。


「は、はやてちゃん!?」
「いやん。そない熱烈な視線で見つめられても、はやてちゃん照れちゃう☆」
「ナノハ、とにかく横になって。」
「フェイトちゃん!華麗なスルーは切な過ぎるで!」


遠い記憶にある姿、声そのままに。
目の前に居る彼女は久しぶりすぎる再会を、なんのムードもなくやってのけた。











*********











「てなわけで、切なくも暖かな旅に終止符を打ち、久々にナノハちゃんに会いに行ってみたら、もぬけの殻。少しの争った跡。地下には最近のものと思える血痕。なんのサプライズかと思ったわ。」
「にゃはは……。でも本当に、助かったよ。ありがとうはやてちゃん。」


再びベッドへ逆戻りとなった私は、はやてちゃんとの昔話に華を咲かせていた。
ふらりふらりと、思いつきで旅をする彼女にまたこうして会えるなんて、正直思っても見なかった。
思わず笑みがこぼれる私に、はやてちゃんは私の頭をくしゃりと乱暴に、けれど優しく撫でる。


「大事な親友を放ったまま、人生終わるわけないやろ。」
「……その割に何年ぶりってくらい会いに来てくれなかったけど?」
「いや、ヴァンパイアの私らにしたら、1年なんて1日と言いますか…。気ついたら何年も経ってたと言いますか…。」
「いいよ。こうしてまた会えたんだし。」


はやてちゃんをからかうのはそこそこに、私はそっと手に力を込める。
握られた手はポカポカと暖かくて、その暖かさを分けてくれているのはもちろんフェイトちゃん。私達がお話している間、ずっと私の手を握ってくれていた。
どこか落ち着かない視線に、昔話ばかりで、フェイトちゃんつまんなかったかな?なんて思ったんだけど違ったみたい。


「ねぇ、フェイトちゃん。」
「なに?ナノハ」
「今度は、フェイトちゃんとお話ししたいな。」


言ってもう一度、繋がった手をキュッと握る。
どこかさまよっていた視線は、ゆっくりとこちらに向けられ、何かを決心したみたいに色が灯る。


「うん。私のこと、ちゃんと知ってほしい。それに、ナノハにも聞きたいことがあるんだ。」
「なにかな?」
「…アリシア・テスタロッサについて」
「…………。」


忘れたくて、でも忘れたくない名前。
初めて出来た、人間の友達。


『私はね、アリシアって言うんだよ!アリシア・テスタロッサ!』


綺麗な金の髪に、宝石のような輝きを持つ瞳。


『うん!うん!ありがとうナノハ!』


お人形のように可愛くって、私の心をポカポカにしてくれた。


『ナノハのこの翼、好きだよ。黒くて綺麗で。』


守ると誓ったのに、守れなかった子。


『大好きだよ、ナノハ!!』


あの子を想ってポカポカした私の心は、今じゃあの子を思い出すたびにギュッと苦しくなる。


あの子が居なくなって、一度大きな声をあげて泣いた。
それ以来、あの子の元へ逝きたいと空に恋い焦がれた日々。
そんな私の前に現れたのは、どこかあの子を感じさせるフェイトちゃん。


『この子は、この時代に生きるべき子じゃない。だからもし、時が流れてあなたがこの子と出会うことがあれば、この子を守って欲しい。』


あぁ、そっか。
それはきっと…。





「あなただったんだね。フェイトちゃん。」






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  1. 2016/06/18(土) 00:00:00|
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