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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界15








ゆっくりと、夜が更けて静まりきった森を歩いていく。
その前をすぐ、一人の女性が何も言わずに先導する。

その背には…ヴァンパイアの証である、翼。
私がナノハの片翼を見たのは、あの屋敷での一度きり。
…ナノハが空を駆ける姿は、きっと綺麗なんだろうなぁ。
そんな事を考えながら、ふと背に背負ったナノハに顔をのぞき見る。
少し荒れた呼吸に、青白い顔色。

そんなナノハに、場違いな事を考えていた自分に叱咤する。
目の前のヴァンパイアが声をかけてきたのは、そんな時だった。


「この辺でええかな。これだけ開けた場所なら大丈夫やろ?」
「こんな所で何するの?」


言って周りを見渡すも、相変わらず木々が茂る森の中。
少し違うことと言えば、少し開けたこの場所は、上を向けば空が良く見えるということだ。


「えぇっと、フェイトちゃん。で、いいんやんね?」
「そうだけど…。」
「悪いんやけど、ナノハちゃん抱え直してもらってええ?」
「この体制じゃダメなの?えっと…これでいいのかな?」


ゆっくりと慎重に、ナノハを抱え直す。それは所謂お姫様抱っこというもので…。
これで一体どうしろと?疑問を浮かべ再び目の前のヴァンパイアへと視線を移せば…。


「ほな、フェイトちゃん、ちょっと失礼するよー」
「わわっ!!な、なに!?」
「暴れたらあかん。ナノハちゃんしっかり抱いといてや。」


いつの間にやら、私の背後にいたヴァンパイアは、あろうことか私の脇に手を突っ込んだかと思えば、そのまま翼を大きく広げ…空へと飛び立った。


「す、すごい。」
「うぬぬ…さすがに二人も担ぐんは堪えるわ。」
「人間では見る事の出来ない世界だね。」
「ロマンチックなこと言うやないの。飛行技術で言えば、ナノハちゃんは天下一品やで」
「そうなの?」


満点の星空、なんの障害もなく駆け抜ける爽快感は、急を要する今の状況でも圧巻だった。
ナノハと一緒に空を飛びたいな…。
抱えたナノハの顔を見ながら、その腕に少し力を込める。
どうかもう一度、ナノハが空を飛べますように…。











********











世界中を旅して、そこで出会った四人と家族に。
血の繋がりはないけれど、それ以上の絆がある。


「そんな家族の唯一のヴァンパイアにして大黒柱!!私が八神はやてちゃんです☆」
「えっと、あの、うん」
「ノリが悪いでフェイトちゃん!!」
「いや、そんなこと言われても…」


辿り着いたのは、どこにでもある普通の家。
私とナノハを迎えてくれたのは、八神家という家族達だった。
茫然とする私をよそに、的確にナノハの治療を行ってくれて、今は穏やかな表情で眠っている。


「にしてもフェイトちゃん、ロクに自己紹介もしてなかったのに、良く私を信用して着いてきたな」
「危険な気配はなかったし、ヴァンパイアに怖いって印象はなかったからね」


-ナノハのお蔭かな?
そう言って、隣で眠っているナノハの髪をそっと撫でる。
あれ?そういえば…。


「八神家の中で、はやてだけがヴァンパイアなの?」
「さっきの自己紹介聞いてなかったんかいな?そうやよ」
「でも、だってそれじゃあ…」


自己紹介に至るまでの、はやての長い長いエピソードを思い出す。
色んなところを旅した彼女。
それは何年もの時間をかけて、簡単に言えば人間の寿命を大きく超える程の…


「家族のみんなはヴァンパイアじゃないんでしょ?」
「そうやね、翼も牙も爪もあらへんし、元は人間やからね」
「………はっ?」
「使役者言うてね、特定の人間とヴァンパイアが交わす契約なんやけど」
「契約?ヴァンパイアって人間だったら誰の血でも良いんじゃないの?」


味好みとかあるんだろうか?でも、血なんてどれも一緒なんじゃ?
疑問が浮かぶ私をよそに、はやては続ける。


「ただ生きていくだけなら誰の血でも事欠かんよ。まぁ、吸血された人間の人生は変えてしまうやろうけどね。」


思い浮かぶのは無表情なあの男。
ナノハに血を吸われ、機械のように動く彼を、人間と呼ぶのは難しい事なのかもしれない。


「同じ血でも善し悪しがあってな。その辺の人間の血を飲むんと違って、治癒速度増進とか、力を発揮するときなんかは、使役者の血を摂取するのが一番なんや。」
「なら!私とナノハがその契約ってやつをすれば、ナノハがこんなに苦しむ必要もなくなるんじゃないかな!」


言って隣で眠るナノハを見やる。
大怪我での戦闘。疲労だってかなりのもので、治療のお蔭で今は落ち着いているけど、顔色はまだよくない。


「無理やな」
「どうしてっ?」


使役者の血を飲んで早く回復するんだったら…。


「契約ってのは、お互いが了承したうえで行うものや」
「私は良いよ!ナノハの力になれるんだから。」
「契約を交わした人間が、その後も人間として人生を全うできると思ってるん?」
「えっ?」
「契約を交わした人間は、ヴァンパイアにこそなりはせんけど、人間にはない生命力を手にする。早い話、人間の言う化け物並みの寿命を手にすることになるわけやね。」
「それって…。」
「家族、友人が次々老いて生を全うする中、自分だけが死ねなくなるいうんは、辛いもんがあるんと違う?生半可な覚悟では、契約なんて出来んよ。それはこっちだって同じ。まぁ、契約するしないに関わらず、人間の人生を変えてしまうんやから、吸血行為なんて迷惑な話なんやけどね。」


「はやては迷惑なんかじゃねぇよ!!」


言ってはやてに抱きついたのは、ヴィータと呼ばれた赤毛の子。
はやての使役者の一人らしい。


「ヴィータ…。」
「あたしは、はやてのこと大好きだかんね!」
「それに関しては、私も同意します。」
「はぁ~い!私もで~す!」
「同じく。」


ヴィータの背後から現れた3人。
順に、シグナム、シャマル、ザフィーラと呼ばれたみんなは、ヴィータと同じくはやての使役者だという。


「我々はみな、あなたに惹かれて契約を交わしたのです。迷惑なんてとんでもない。」
「シグナム…」
「はやてちゃんは優しすぎなんです!もっと堂々と主らしくしてください!」
「主言われてもなぁ、シャマル」
「我々は、誰一人として後悔などしておりません。我々は生涯、あなたと共に。」
「ザフィーラ…」

「あたし達、家族でしょ!!」


4人の暖かな言葉に、本当にはやては愛されているんだなと感じた。
どこか羨ましいなと感じたのは何故だろう?
私にも、血の繋がりはないけれど、母さんやお兄ちゃんだっている。
幸せだって胸を張って言える。なのに-


もう一度、隣で眠るナノハを見やる。
出逢ってまだほんの少ししか経っていない。
薄暗い地下で、たくさんの話しをして、ナノハは笑ってくれてはいたけど、そこか寂しげで…。


ねぇナノハ。
君の中に居るアリシアは、どんな子だった?
ねぇナノハ。
どうすれば、君の心からの笑顔を見ることが出来るのかな?


もっとずっと一緒に居たい。
いろんなところに行って、いろんな話をして。
泣いて笑って、いろんなナノハが見たいんだ。





それは、私の我儘なのかな?望んでも良いんだろうか?





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  1. 2016/06/11(土) 00:00:00|
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