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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界08








「うわぁぁ!う、腕が!!」
「くっそ!何なんだよお前!」


叫び声をあげる者、のたうち回る者、失神してしまう者。
その誰もが、鋭い爪で引き裂かれ、血を流していた。
気がつけば、私に覆い被さっていた男と、ナノハの背後に一人。


「貴方達が悪いんだよ。早くフェイトちゃんを離してって何度も言ったのに。」
「ふ、ふざけるな!そう簡単に、やられてたまるか!」


そう怒鳴り散らした男は、ナノハの背後に立つ男に目をやる。
ゆらりと背後から忍び寄る男の手には・・・ナイフ。


「ははっ!やっちまえ!油断してるからこうなるんだ!!」
「ナノハっ!危ない!」
「・・・・・・・・・・・・。」


一秒、二秒、三秒・・・だけど、ナノハは動かない。
後ろの男も、動かない。


「おい!何してんだ!早くやっちまえよ!」
「・・・・・・まだ、わからないの?」
「・・・なに?」
「ねぇ、そこの貴方。手に持っているナイフ、私にちょうだい。」
「はい。マスター。」
「なっ!!」


ナノハが背後の男に向き直り、手を差し出す。
常識では考えられない行動に、常識では考えられない行動を男はして見せたのだ。


「なにやって・・・、てめぇ、そいつに何しやがった!」
「別に・・・ただ私の口元に指なんてもってくるから、血でも吸って欲しいのかと思っただけだよ。」
「お前!?まさか、ヴァンパイアなのか!?」
「今頃気付いたの?」


ナノハが首をかしげ、見てみろとばかりに背中から羽を現してみせる。
既に男は完全に戦意を喪失し、フェイトが立ち上がったことにすら気がついていない様子だった。


「悪かった!もうしない!だから・・・」
「ふーん。今更そんなこというんだ?」
「た、助けてくれ!」
「・・・・・・・・・二度とフェイトちゃんに近づかないで。目障りだよ、この人達みんな連れて帰ってね。」
「は、はい!!!」


男はすぐに、傍に居た気絶した男を担ぎ込み、未だにうめき声を上げ続ける男達を叱咤する。誰もが真っ青な顔をして立ち去る中一人、無表情で立ち尽くす男。


「貴方ももう帰って良いよ。街へ帰ったらこれまでと同じように過ごせばいい。」
「はい。マスター。」
「・・・これまでの自分を、忘れちゃダメだよ。・・・・・・・・・・・・ごめんね。」
「はい。マスター。」


静かに立ち去った男を最後に、ついにフェイトとナノハの二人になった。
事の行く末をただ呆然と見つめる事しかできなかったフェイトだったが、すぐに我に返り、ナノハの元へと駆け寄った。


「ナノハっ!」
「フェイトちゃん。大丈夫だった?」
「私は大丈夫だよ。ナノハ、その・・・えっと。」
「私のこと、怖い?」


ナノハの表情に、思わずハッと息をのむ。
男に殴られた頬が赤く痛々しいが、それ以上に痛々しいのがナノハの目だった。
どこか怯えた様子でフェイトを見つめるその目は、不安で揺れていた。
そういえば、初めて会ったときから彼女は随分と寂しそうな目をしていたな。


「助けてくれてありがとう、ナノハ。」
「・・・・・・えっ?」
「行こう。あいつらが街に帰れば、すぐここのことは知れ渡る。そうすれば直ぐにでも討伐隊がここに来るよ。」
「フェイトちゃんは?」
「私?もちろん、ナノハと一緒に行くよ。」


ナノハの目が驚きで見開く。
見捨てられると思ったのかな?また、ひとりぼっちだと、そんなことを考えたりしたのかな?


「ダメだよ!討伐隊って、ハンターの集まりのことでしょ?危険だよ!」
「その危険が自分に向くように仕向けたのは、ナノハでしょ?」
「なに言って・・・」
「やっぱり優しいね。ナノハは。」


あれだけの数の男達の、誰一人として殺してはいないのだ。
恐怖心を植え付けて、最終的に男達の注意はナノハにだけ注がれていた。
血相かえて、男達が街へ駆け込む姿を見て、どうしたのか疑問に感じない人なんてまず居ないだろう。
人殺しをしてはいけない。
だけど、フェイトを助けたい。
優しいナノハが考えて、行き着いた結果がこれだったのだろう。





不穏な足音は、確実にフェイト達の元へと向かっていた。





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  1. 2016/04/23(土) 00:00:00|
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