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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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行キ着ク果テノ世界04




自分がどう生まれたかなんて、覚えていない。
気が付けば、街中を彷徨っていて、渇きと飢えで動けなくなっていたところを、ハラオウン家の人に拾われた。


唯一記憶にあった名前を問われ、素直に答えた。
「フェイト・テスタロッサ」と。


その後すぐに、「フェイト・T・ハラオウン」と名乗る様に言われて、何不自由なく暮らした。


ハラオウン家はちょっとした名家で、当然だけど私の事を快く思わない人間だっていた。
そんな時言われたのが、「テスタロッサの名は呪いの証」


母さんも、お兄ちゃんも気にする必要はないって言ってくれたんだけど、このままじゃいけないって思ったんだ。


私は、テスタロッサについて何も知らない。
テスタロッサの姓に思い出もなければ、どうして自分が名乗っているかすらわからない。
だけど、訳もわからないまま一方的に呪われてるだなんて言われても納得できるわけもなかった。
一度、みんなの前で聞いたことがある。
どうして呪われた姓なのかを。
まともな答えを口にする者は誰もおらず、そう言い伝えられているからの一点張りだった。


悔しくて悔しくて、徹底的に調べ上げた。
何度か無理言って旅にも出させてもらっても、何もわからなかった。


諦めろと言われても納得できないと躍起になっていた私に、母が差し出したのは一冊の本だった。


今から遠い昔のこと、プレシア・テスタロッサと呼ばれる研究者がいたこと。
プレシアの一人娘は人ならざる者に心を許し、人々を恐怖に陥れたこと。
その身を捧げた人ならざる者に、命を奪われてしまったこと。
幼くして生涯を閉じてしまった娘の死を受け止めきれず、プレシアがクローン実験に手を出したこと。
実験にはテスタロッサの血をひく者が利用され、最終的にテスタロッサ一族はプレシア一人になってしまったこと。
実験は凍結され、その後どうなったのかは誰も知らないこと。


ハラオウンの一族によって書かれたその本を引きちぎりそうになるのを堪えて、母さんやお兄ちゃんを問いただした。


『どうして教えてくれなかったの!?知ってたんでしょ!?』
『……知っていたわ。だけど、教える必要はないと思ったのよ。』
『どうして!?』
『その本に書かれていること以外、私達は何も知らないわ。唯一わかることがあるとすれば、人ならざる者の正体がヴァンパイアであることだけ。それに、どこまでが事実なのか、信憑性は低いわ。』
『…私は、クローンなの?』
『…わからないわ。でも仮にそうだとしても、あなたは人間としてこの世界に生まれてきた。恥じることもなければ、負い目を感じる事なんて何一つない。違うかしら?』


母さんの言うとおりだった。
ハラオウン家に向かい入れてもらって、テスタロッサに関して嫌味を言われることはあっても、何不自由なく過ごしている。幸せだって胸を張って言える。
だけど………


『……ヴァンパイアに会いに行きます。』


ヴァンパイア……それは、何百年とたった今でもこの世界に存在する。
人を襲い恐怖に陥れると言われるそれは、現在では討伐隊が結成されたりと、もはや絶滅寸前だと言われている。


人間の何倍もの年月を生き抜くんだ。
もしかしたら、この本に載っているヴァンパイアは、どこかで生きているかもしれない。
もし死んでいたとしても、本の娘が生涯を捧げるほどのヴァンパイアという生き物はどんなものなのか、興味があったんだ。


後は知っての通り、旅の最中に聞きつけたヴァンパイアの噂を頼りに、廃墟と化した屋敷へ乗り込んでみれば、捕えられたヴァンパイアが一人。


一体いつからここに居たのだろうか。
繋ぎとめられた手足は血の気をなくし、酷く痛々しい。
寂しさを隠しながら笑顔を振りまく彼女は、とっさについた私の【嘘】に疑うことなく、喜んで首を差し出すと言った。
人間の役に立てるのが嬉しいと笑みを浮かべて。


そのとき思ったんだ。
きっと彼女が、本の娘と心を交わしたヴァンパイアなんじゃないかって。
根拠なんてないけれど、本能がそう物語ってた。


それに何より、自分の素直な気持ちとして、彼女を助けたいと思ったんだ。
彼女のことをもっと知りたいと思ったんだ。


それから、無理やり彼女の名前を聞きだし、一方的な約束を取り付けた。
これが、私とナノハの出会いだった。






『…ナノハ』
『ナノハか、いい名前だね。私はフェイト・ハラオウンだよ。よろしくね、ナノハ』







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  1. 2016/03/26(土) 00:00:00|
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