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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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短編16




ぼんやりと天井を見つめて…不意に漏れる溜息。
同時に、頭にのせた氷のうの氷がカシャンと音を立てた。

時間は…19:00をちょうど回ったところ。
本当なら私は、今頃みんなと一緒にはやてちゃんのお家で鍋パーティしてるはずなのに…。
季節の流行風邪が、巡りめぐって私に来て…絶対安静の状態になって…
自宅のベッドで、横になってる。


今日は久しぶりに、フェイトちゃんに会える、本当に凄く大切な日だったのに…。

フェイトちゃんのお仕事が終わったのは今朝のこと、2週間くらい、彼女とは会えていない。

どうしてこう…っ、大切な時に限って私はこうなるんだろう?
みんなが集まってたのに…っ。フェイトちゃんも…いるのに…。


「はぁ…」


二度目の溜息は、シンと静まり返った部屋に大きく響いた気がした。
と、突然…

~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪

枕元に置いた携帯がなったんだ。
その音に、びくっとしてしまう。

だって、この音は…っ!


「も…っ! もしもしっ!」


慌てて手にとって通話ボタンを押すと、向こう側でくすっと笑った声が聞こえた。
あ…やっぱり…。


『なのは? 平気?』


機械独特の声じゃなくって、暖かさを含んだその人の――フェイトちゃんの声。


「フェイトちゃん…」
『ほんとはメールの方がいいかなって思ったんだけど、熱が出てるときって画面とか見るほうが辛いと思って。…寝てた?』
「だっ、大丈夫っ」


『そう?よかった』なんていいながら、ホっとしたみたいにもう一度笑うフェイトちゃん。
背後からははやてちゃん達の笑い声。


『なのは?きこえてる?』
「あっ、うんっ、きこえてるよ」


みんな楽しそうだな。きっと、その中に私が居ないから、気を遣ってくれたんだろう。
フェイトちゃんらしい
そんな事が頭に浮かんで、あえて気づかないフリをした。


『風邪? 大丈夫?』
「にゃは…、まだ…ちょっと辛い…かな」
『そっか…。本当はそっちに行ってあげたいんだけど…』
「だっ、だめだよ…っ、フェイトちゃんに伝染っちゃったら大変だから…っ」
『ふふっ、言うと思った。アリサにもさっき怒られてさ』
「そうなの?」
『うん。まぁ、私は別に、伝染すのがなのはならいいんだけど』
「ふぇ、フェイトちゃん…っ」


なんでこう、フェイトちゃんはとんでもないことをサラっと言っちゃうんだろう…?
ちょっぴり嬉しいけど、やっぱり困る…。


『…でも良かった』
「え?」
『なのは、泣いてなくて』
「…フェイト…ちゃん?」


ひとしきり笑って、それから言ったフェイトちゃんの言葉はどこか真剣なものだった。
自然と私の声のトーンも下がる。

私が…泣いてなくて…?
それは……もしかして…


『みんなと約束したのに、今日これなくて、自分を責めて、寂しいって泣いてるんじゃないかって思った。体調崩すと、色んな事を悪い方に考えちゃうから。私の為にみんな集まってくれたんだよね。なのはが一生懸命考えてくれたんだよね。ありがとう。』


あぁ…やっぱりフェイトちゃんはなんでもお見通しだったんだ…。
そう、鍋パーティなんて表向き、本当はフェイトちゃんに楽しんで貰いたくて・・・お疲れ様って言いたくて。

チクン、と胸が締め付けられる感覚が広がっていくのが判る。
と同時に、目の奥がジンジンしてきて…思いっきり唇をかみ締めてしまう。


『なのは?』
「な…なに…?」
『私にできる事があるんだったら言ってね?』


その言葉に、押し込めていた気持ちが溢れかえりそうになった。

言いたいことが、いっぱいあって。
言って欲しいことも、それ以上にいっぱいにあって。


「フェイトちゃん……」


…慰めてほしくて…他にも色々してほしくて…。


『うん? なに?』


でも、熱に冒された頭では、伝えたいことがちゃんと考えられなくて…
なんにも言えなくなった。

やっぱり…私ってダメだ…。
フェイトちゃんに迷惑ばっかりかけてる。

じんわりと涙が溢れそうになった時…、携帯越しにフェイトちゃんの短い息が聞こえた。
姿を見なくても判る。
フェイトちゃんは笑ったんだ。

それから聞こえたのは、どこまでも優しい声。
私だけが知ってる、フェイトちゃんの声…。


『がんばれ』

「え…?」

『…なのは、がんばれ』


たったそれだけの言葉。
でも…私には、十分すぎるくらいの言葉だった。

慰めるでもなく…背中を押してくれるような『励まし』。
それが今…私のぐちゃぐちゃになった心を一瞬にして溶かしてくれた。
寂しいとか、悲しいとか…辛いとか、そんなのを…ぜんぶ。


「ふぇ…と…。フェイト…ちゃん…っ」


ぎゅっと握り締める携帯。
ただの機械なのに、その先にいるフェイトちゃんと…繋がっていたくて。


『うん』


相変わらずの優しい声は、ちゃんと私の言葉に返事を返してくれる。
きっとそれは私が言葉にならない言葉を言ったとしても。

だからせめて、言葉が言葉になっているうちに…この気持ち伝えよう?


「ふぇい…ちゃ…」
『うん?』
「ありがとう……」
『ふふっ、なんだか…アレだね? 私がなのはを泣かせちゃった?』
「そうだね」
『・・・・・・、ごめんね?』
「だって…、フェイトちゃんが…がんばれなんて言うから…っ」
『まぁ風邪の人にがんばれってのもおかしいかな』
「微妙だね」
『微妙だね』


でも…本当は凄く嬉しい一言だったんだよ?…っていうのは内緒。

きっとこんな会話、携帯じゃなきゃ話せなかったと思う。
だって一緒にいたら、甘えちゃうか…意地を張っちゃうかのどっちだったと思うから。






フェイトちゃんだったら…多分どんな私でも受け止めてくれるんだろうけどね…。








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  1. 2016/02/20(土) 00:00:00|
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