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初心者が綴る。 初心者ゆえの駄作。 そんな、なのフェイなの。

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リクエスト09

【歳の差パロ(モデルフェイトさん・高校生なのはさん)】



まるで、かみなりに打たれたような鼓動。
ドキドキするんじゃなくって、ビリビリする。
かぁーっと、頬じゃなくって、頭の後ろが熱くなる。

思いもよらなかった。
たった、その一言が、こんなにも勇気をくれるものだったなんて。
何にも負けない、無敵の言葉だったなんて。







「下線部bの「無常」の対語を答えなさい。えっと…これは…。~~~っ、うぅ~~っ!」


ぽんっ、とシャーペンを放り投げる。
途端にスイッチが切れたみたいに、私の頭もスイッチオフ。
こんな時は何をやっても頭に入ってこないんだ。

シン、とした静寂の中、紙の擦れる音だけが響く空間、図書館。
その中の学習机に腰掛けて、問題集を頭に詰め込んで。
でも、ただ詰め込んでいただけだからか、キャパはすぐ一杯になって。
はぁ…と頬杖をついて溜息一つ。

ぼんやり眺めた腕時計は、午後3時。

あと1時間…あと1時間したら…あの人に逢える。

きっと今頃は、お仕事中。
カメラに向かって笑顔を向けてるかも。
ううん、雑誌の撮影中?
写真撮影をしてるかも?

考え出したら止まらない、あの人のこと。

だめだなぁ…、すぐに勉強が手に付かなくなる。
頑張らなきゃいけないのに。
いつだって、不安になったりして。

そう、不安なんだ。
あの人の隣に、私じゃない誰かが立っているんじゃないかって思うと。

切り離された空間は、ほんのひとときしか繋ぐことができなくて。
あの人はきっと「あるワケないよ、そんなこと」なんてへらっと笑うだろうけど、
あんな魅力的に輝く人、ほっとく人の方がどうかしてる。

もしかしたら、ううん、でも、だって、けど。
逡巡する気持ちが、こんな時どんどん増えていく。


「…って、いけない! もう15分前だっ」


変なこと考えてたせいだ…っ。
瞬く間に時間は過ぎていて。
待ち合わせに遅れるかもっ。

頭に入らなかった問題集やら参考書一式をすべてカバンに詰め込んで、
ガタンと勢いよく図書館を飛び出した。


「はっ…はっ…」


風に煽られて飛ばされそうになる帽子を押さえて走る。
この交差点を曲がれば、大通り。
そのすぐ角に、あの人がいるはず。

こんな人通りが多くて大丈夫かなって思うけど、
こういう所のほうが逆に気づかれないんだよ、なんて
笑っていったあの人に諭されて。
…て、いた…!

けれど。
途端に止まってしまう足。
まるで急ブレーキがかかったみたいに、足が動かない。

だって、あの人の隣に男の人。
私の知らない男の人。
キャップを被ったあの人の顔を覗き込むみたいに笑いかけながら
何言かを囁いてる。
顔は見えないから、あの人がどんな表情かわからないけど、
への字につぐまれた唇がどこか…不機嫌そう?

早く行ったほうがいいのに、足は重く、一歩一歩とゆっくりにしか歩けない。

わかってる。
あの男の人は違う。
全然あの人の世界には触れることさえもできない人。

わかっているけど、嫌な具合に胸が鳴ったんだ。

でも。
そばに近づいて聞こえた声に…

―――はっとした。


「フェイト・T・ハラオウンにそっくりじゃん、キミ」
「あぁ、そうですか?」
「もしかして本人とか?って、ンなワケないか~」
「さぁ、どうでしょうね?」
「な、オレと付き合わない」
「ははは」


なんにも判ってない男の人は、
あの人…フェイトちゃんに次から次へと不躾なことを囁いてる。
左右非対称にあげられていくフェイトちゃんの唇は、とんでもなく迷惑そうで。

やっと金縛りが解けたみたいに足を踏み出して。
あと数歩で、声がかけれる場所まできて。
私がすっと息を吸い込んだと同時に…、フェイトちゃんも息を吸い込んだんだ。

――― その瞬間、私は輝きを見た。
瞼を閉じれば思い出せる、あのカメラの前で見せるフェイトちゃんの輝きを。
鋭く、どんな人でも撃ち落してしまうような眼差しと、
誰もがハっとする凛としたオーラ。

そして、つむがれた言葉は、


「悪いけど、私、恋人いるから」


貫かれた。
胸を貫通。
自信に満ちたその言葉は、不安なんて一瞬で吹き飛ぶほどの、鋭い一撃で。

今、私が、貫かれた。

どれぐらいぶりだろう、この感覚。
憧れだったあなたと初めて肩を並べて歩いた時以来?
ううん、違う。

まだ雑誌やテレビの向こう側にいたあなたを、
どれだけの人に囲まれていても、すぐに見つけられた、あの瞬間の感覚だ。

何物にも揺らがない、あなた。

そして、今私も。


「…フェイトちゃん」


くいっくいっと服の袖をひっぱって、小声で呼びかける。

途端に厭わしげにあげられていた頬がほころんで。
にっこりと笑ったんだ。
カメラにも向けない、私にしか見せない飛びきりの笑顔で。


「じゃ、バイバイ」
「あ…! え? マジでフェイト・T・ハラオウン? ホントに?あ、おい…!」


私の声が聞こえちゃったんだろうな、
男の人は、ポカンとした顔で呆然と私達を見送ったんだ。


「いいの? あんなこと言っちゃって」
「んっ?」


アイスクリームを片手に通りを歩く。
ちょっと意地悪っぽくキャップの奥を覗き込むと、
フェイトちゃんは、なんでもないって風にコーンに噛り付いた。


「いいよ。どうせあんな人の言うことなんて誰も信じないだろうし」
「また、そんな」
「それに、ホントのこと言っただけだもん」
「…そうだね」


くすりと笑うと、『おや?』と眉を上げて、今度はフェイトちゃんが覗き込んできて。


「今日は珍しいね? いつもは恥ずかしがるのに」
「だって、本当のことでしょう?」
「まぁ、そうだけど」


ふうん、って言うみたいにフェイトちゃんはまたへらっと笑って。


「なのは、変わったね」
「そうかな?」
「うん、私の恋人らしくなった」


う…っ。
今度はクリーンヒット。
嬉しさよりも先に、正直な頬は火照りだす。


「あ、今度は赤くなった」
「うぅ…っ、いいじゃない…っ」
「えへへ」


ご機嫌のフェイトちゃんは、アイスを口の中に放り投げると、
今度は私の手をきゅっとひっぱって歩き出す。

フェイトちゃんは気づいてないかもしれないけど、
本当は私、全然変わってなんかいないんだよ?

ほら、こうやってあなたに触れられるだけで、鼓動が高鳴る。
そしてまた、あの感覚。

かみなりに打たれたように、ビリビリと身体の芯が熱くなる。
でも、きっと今日は特に。


『悪いけど、私、恋人いるから』








あなたがくれた、無敵の言葉こそが落雷のきっかけだから。
そのかみなりに打たれた私も、きっと無敵、だよね?





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  1. 2015/12/19(土) 00:00:00|
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